顧客理解
2018.02.10
Gainsightによるカスタマーサクセス初心者に向けたガイド “The Essential Guide” の和訳版を「Gガイド」と名付けてシリーズでお届けします。
#01 カスタマーサクセスとは
#02 チャーンとは.
#03 カスタマーサクセスの指標とは ←今回はこれ
#04 カスタマーライフサイクルとは
#05 カスタマーサクセス予算の立て方
#06 ハイタッチなカスタマーサクセス(前編)
#06 ハイタッチなカスタマーサクセス(後編)
#07 四半期ビジネスレビュー(QBR)とは
#08 パートナーサクセスとは
#09 VoC (Voice of Customer)とは
#10 カスタマーサクセスソリューションの選び方(前編)
#10 カスタマーサクセスソリューションの選び方(後編)
注:Gainsight社の許可を頂き原文の和訳を紹介します。
SaaS型スタートアップに限らず、新製品を発売するエンタープライズ型のテクノロジーベンダー含め、あらゆる企業はその活動をモニタリング、測定、管理する必要があります。
なぜでしょう?
ベンチャーキャピタル、取締役会、または単に小切手に署名しただけの人物、さまざまな相手に対してデータは証明であり、企業活動を正当化するにはその活動が実際に機能することを証拠する必要があるからです。
企業活動全体の視座に立った時、何をモニタリング、測定、管理すればよいのでしょうか?
LTVとは、最も単純な計算式でいうと、プロダクトまたはサービスのコストにカスタマーの平均利用年数を掛けたものです。
ConversionXL社はLTVを定義します: (売上の平均値)X(平均利用期間)X(月次または年次の平均リテンション期間)
LTVは、契約-拡大モデル(要は、まず新規契約を獲得しその後でアップグレードや追加サービスを上乗せすることで売上拡大を目指すモデル)を追求するサブスクリプション型、または定期収益型の事業に最も適した概念です。なぜなら、このタイプの事業はカスタマーの新規契約、契約離脱、定期的支払額などを簡単にトラッキングできるからです。
でもそういったタイプに限らず、あらゆる企業はカスタマーを維持することに苦心し、または苦心する必要があります。
という点から、LTVはカスタマーのローヤリティや購買データを把握するあらゆる企業に適した指標です。
事例:スターバックスのLTV(KissMetrics社によるインフォグラフィックを参照)
LTVは高ければ高いほど良いです。つまり企業は、売上、取引量、リテンション率を上げる方法を積極的に見つけなければなりません。
CACとは、新規カスタマーを獲得するために要する費用です。
CACを計算するには、営業、マーケティングや、オンボーディング(訳者注;カスタマーがプロダクトやサービスを使いこなせるようになるための期間・プロセス)などへ、人件費含め、どれだけ会社全体で費用をかけたか知る必要があります。
その費用金額を新規カスタマーの人数で割り求めます。ある特定期間(たとえば、毎月、四半期、毎年など)に対して計算する必要があります。
CACは低ければ低いほど良いです。つまり企業は、効率を改善し、リード件数を増やす方法を常に検討しなければなりません。
チャーンとは、ある期間に失ったカスタマーの割合で、通常CACの上昇とLTVの低下に繋がる重要指標です。
契約解約が大量に発生する場合、そのプロダクトやサービスに根本的な問題がある可能性が非常に高いです。つまり、営業活動とマーケティング活動を改善しても解約抑制の解決策になりません。
その代わりに、上市しようとしてる又は既に販売中のプロダクトの問題箇所を具体的に修正する必要があります。
NPSとは、顧客ロイヤルティを測定・評価する指標で、2003年にベイン&カンパニーが考案しました。NPSがあれば、カスタマーに対し非常に長い質問調査を実施しなくてすみませう。なぜなら、NPSはの質問は超簡単だからです。
この会社/製品/サービスを友人や同僚に推薦しますか?
カスタマーは、1から10までの数字の中から質問に答えます。つまり、0は全くそう思わない、10は非常にそう思う、です。 そして回答を3カテゴリーに分類します。
・プロモーター(ファン): 9か10をつけた人 ・パッシブ(受け身な人):7か8をつけた人 ・デトラクター(批判的な人):0〜6をつけた人
NPSは、プロモーター(ファン)の割合からデトラクター(批判的な人)の割合を差し引いて算出します。名前が示すように、受け身な人は計算から除外します。
スコアは理論上 ー100(全員批判的)〜 +100(全員ファン)の範囲に収まります。一般的に0より大きければ良好、+50より大きければ素晴らしいとされます。
フォローアップの質問を追加することも奨励されます。通常、そのスコアをつけた理由を記述してもらうなどオープンクエスチョンが多いです。そういった追加質問への回答をあわせることで、計算で求めたスコアの意味をより深く理解できます。
更に顧客満足度を向上させ、財務利益を改善させる機会も分かるため、改善に向けより効果的な実行計画を立てることができます。
LTV、CAC、そしてチャーンといった指標と異なり、NPSは事業の基本データから計算できる指標ではありません。NPSを計算するには追加作業が必要です。
具体的には、四半期または半年毎などの定点でカスタマーに対しNPS調査を実施する必要があります。NPSは、その追加労力をかけても実施する価値があります。理由は以下です。
NPSが分かれば、あなたのローヤルカスタマーをより良く理解し増やすことができます
カスタマーのローヤルティは一般的に売上と収益性に相関します。NPSは、カスタマーのローヤルティを実際の事業成果に結びつける仕組みです。
NPSが分かればカスタマーの将来の行動を予測できます。
過去の行動でなく将来の行動です。シンプルで分かりやすいスコアを使ってあなたのカスタマーのローヤルティを時間の経過と共に追跡できるのです。
ベイン&カンパニーのデータによれば、あなたの会社のファン(9か10をつけた人)は、あなたのサービスを他社へ紹介してくれた人の8割以上を占めます。
NPSが分かれば、あなたのプロダクトを他社へ紹介してくれる人が誰で、彼らが紹介してくれることで増える新規カスタマーの数を失うカスタマー数との対比で知ることができます。
つまり、あなたの会社のファンと一緒に口コミでよい評判を広め紹介によるリードを増やすことができるのです。
NPSの目的はローヤルカスタマーの数の把握に留まりません。究極は収益成長です。
あなたの会社のファンは、他社へあなたのプロダクトを口コミ紹介してくれるだけでなく、彼ら自身のLTVも高いです。
彼らはあなたのサービス単価にそれほど敏感でなく、批判者よりずっと多くのお金を使ってくれます。彼らはマーケティングコストも低く、結果としてCACを下げるのに貢献しています。
通常、カスタマーがあなたのソフトウェアまたはアプリケーションにアクセスした時、またはログアウトした時に、電子メール経由でNPS調査を実施します。それはとても簡単です。難しいのはデータの解釈です。
今はNPS調査ツールが山ほどあります。個人だと調査結果をエクスポートしてNPSを計算する必要がありますが、企業ではNPSの計算と結果管理を自動化できます。ただ計算結果は他の事業指標と本質的に直接結びつかないため多少の問題は残ります。
事業で成功する鍵は、LTVをなるべく大きくし、CACをなるべく小さくし、チャーンは抑え、NPSを上げることです。書くとメチャクチャ単純ですが、実現するのは超難度が高いです。
そのための戦略例は次の通りです:
アップセル&クロスセル戦略の展開
お客さま紹介プログラムの導入
カスタマーのセグメント分類に基づくコミュニケーション強化
サービス体験の向上
カスタマーフィードバックに基づくプロダク
サービスの改善
これらは結局、大規模かつ包括的な活動、即ちカスタマーサクセスに行きつきます。
前提の考え方は至極シンプルです。カスタマーがあなたのプロダクトやサービスを利用することで事業で成功するのを手助けすれば、あなたも結果として成功する、ということです。
カスタマーサクセスを組織に浸透させることで上述の戦略すべてを推進できます。
より重要なのは、データサイエンスのおかげで、LTV、CAC、チャーン、NPSといった重要指標に基づき、現状に加え変化値も常に把握できる点です。
つまり指標がマイナス傾向になるの回避し、そうなる前に予防策を打てるのです。
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