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    2024.04.11

    カスタマーサクセス責任者が就任後90日で答えを出すべき3つの質問

    SuccessGAKOを受講された方の多くが口を揃えておっしゃることの1つに「売ってはいけないカスタマーがいる、というのは衝撃でした」というコメントがあります。

    「Sell to the right customers(正しい客に売れ)」はリテンションモデルにおける定石ですが、「買ってくれた人はみな大切なお客様」と考えるモノ売切りモデルに馴染んでいると衝撃をうけるようです。

    「Right Customer(正しいカスタマー)」を深く理解し、同時に「どういう人に売り込んではいけないのか」についても営業チーム交えて正しい共有理解をもつことはとても重要です。カスタマーサクセスの最初の1歩ともいえるでしょう。

    Totango主催の『Customer Success Summit 2015』で、そのことを実体験と共に披露された示唆深い講演をご紹介します。

    スピーカーは、営業とカスタマーサクセス、両方を統括するプロ、ステファニー・シャッツさん。2015年当時に在籍していたXamarin社では、カスタマーサクセスチームをゼロから100人超体制にし、この講演直後の2016年にマイクロソフトへ売却を果たしました。

    そんな彼女自身の経験から新任カスタマーサクセス責任者の "着任後90日計画" に関する重要な3大ポイントをお話しされています。

    営業と連携しながらカスタマーサクセスで売上貢献を果たしたい方は必読の内容です!


    注:Totango社の許可を頂き動画の和訳を紹介します


    新任カスタマーサクセス責任者の着任後90日計画

    この講演を準備した時、プレゼンテーションの構成案は2つありました。

    最初は、伝統的な「着任後の30-60-90日計画」について話そうかと思いました。カスタマーサクセス責任者なら誰でも着任前に用意すべき計画に関する非常に重要な内容です。

    なお、オマール・ゴットリブ氏(訳者注:Customer Success Summit を主催する Totango社の共同経営者)がこのテーマについて素晴らしい記事(訳者注:「新任カスタマーサクセス担当VPの就任後90日計画」を参照)を書いてますので、皆さん是非読まれるようお勧めします。

    結局、私はもう1つの話をすることにしました。あなたがカスタマーサクセス責任者になった時、その仕事を成功させる鍵を握る3大トピックについてです。

    本題に入る前に少し自己紹介しますね。

    私はステファニー・シャッツ。過去15年間、エンタープライズ向けソフトウェア企業の営業、カスタマーサクセス、事業開発に取り組んできました。

    複数のスタートアップで働く間、途中1年以上働くのを中断して世界旅行もしました。

    そう言うと皆さん、私の人生の中で1番楽しかった1日をはいつ?とよく聞きます。それは150頭のサメの中でダイビングした経験です。正直言って凄く怖かったです。あの日のことは2度と忘れません。

    時々、趣味の写真にも時間を使います。

    この写真を見て場所がどこか分かる人、この部屋の中にいますか? ミャンマーのバガンという有名な寺院です。私はここに写っている熱気球より更にもう一段高い熱気球から撮りました。実は高所恐怖症なので、これも凄く恐ろしい経験でした。

    オフは、ソノマに住んでいる馬1頭と一緒に時間を過ごします。とても楽しい時間です。

    私は今、Xamarin社で働いています。 Xamarin社は本当にクールな会社です。私は約3年前、当時初のノンエンジニア人材として採用されました。

    会社は驚くほど急成長しました。 Xamarinはモバイル開発、モバイル分析、モバイルテストのためのプラットフォームです。モバイルは明らかにホットな空間です。Xamarin社には100万人もの開発者がいて、とても楽しい職場です。

    今から話すのは、 私たちのカスタマー、ユーザー、モバイル開発者、モバイルエンジニアにとり非常に重要なコンセプトです。

    現在、毎月約4万人のカスタマーが新規で増え続けています。非常に急激な成長スピードです。

    150カ国のカスタマーが私たちにお金を払ってくれています。 最初から非常に国際的な会社です。

    皆さん、私の肩書きに「営業」と「カスタマーサクセス」両方あることにお気づきでしょう。そうです、私はXamarin社の両方の機能の責任者です。このスタイルは私たちに会社にとり非常に成功する方法です。

    そして、私だけでなく会社の誰もが常にカスタマーサクセスのことを話すのにも気づかれるでしょう。この写真は弊社のCTOミゲルデイカザが2年前に登壇した時のものですが、CTOがカスタマーサクセスについて話しています。

    私たちの会社のミッションは「開発者を喜ばせる(Delight Developers)」。これは組織の明快な目標です。

    さて今、あなたは新任のカスタマーサクセス責任者に着任するところと仮定しましょう。ある会社の初のカスタマーサクセス副社長です。

    この部屋の中に同じタイトルの人いますか? いらっしゃいますね、素晴らしい、素晴らしい。では、このタイトルに就きたいという人はいますか?沢山いますね、いいですね、非常にいいですね、嬉しいです。

    今日はあなたの着任初日です。まずはおめでとうございます!・・ですよね?!だってそれは素晴らしいことですから。でも初日に重要なのは、あなたの頭の中の関心が何に向いているかです。

    今から、あなたが答えを出さなければならない重要な質問3つをご紹介します。

    質問1:売るべきカスタマーへ営業しているか?

    これは3つの理由から重要です。

    1つ目、これは私見ですが、カスタマーサクセスの仕事は営業から始まります。どのようなタイプのカスタマーがあなたのソリューションで成功するか把握するには、理想的なカスタマーのプロファイルを深く深く理解する必要があります。

    時間を使って売り込みたい人物像を正確に定義してください。非常に詳細にです。あなたの理想的なカスタマーはどういう人か、そして結果としてより重要なのは、どういう人に売り込んではいけないか、です。

    2つ目、営業チームが優秀かどうか理解する必要があります。ぜひ営業に同行してください。何かを学ぶことにあまり興味を示さず、あなたの話を本音では聞きたくないと思っていて、ただ騒々しいだけの不愉快な人はいませんか?

    1990年代の営業実務のまま時が止まっている会社だとすると非常に危険です。SaaSの世界で成功する営業担当者は非常に賢明で、その分野に非常に精通していて、カスタマーの要望に対し非常に敏感でなければなりません。これはとても重要な点です。昔ながらの営業では、SaaSの世界では絶対に成功しません。

    3つ目、最後ですがとても重要です。最初の2つが機能するには、売り込んではいけない相手には営業が「ノー」と言うことが許される/言えるスキルが必要です。これは、いかなる価格でも売れという営業プレッシャーが強い会社の営業チームにとり非常に難しいことです。

    あなたのソフトウェアを使うことでより多くの価値を出せる会社が確かに存在します。重要なのは、それがどういう会社なのかを良く知る必要があるということです。相手がもしそういう会社でないと分かれば、最初から営業したくないでしょう。

    確かにスタートアップの初期は、目の前のカスタマーにノーと言うなんて、そんなこと言う余裕もないほど贅沢なことです。それにあなたは着任初年度でもあります。

    Xamarin社は最初はブートストラップでした。取れるお金は1円でも稼ぐ必要があります。そこで、それが本当に熟慮した結果の意思決定ならそうしてよいとしました。ただし、そういうカスタマーは2年目、3年目の解約リスクが非常に高く、そうなっても驚かないことを覚悟する必要があります。会社が成熟するにつれ事業開発には多額の資金を使うので、新規カスタマーの獲得コストは非常に高くつきます。

    私はチームにいつも言うことがあります。それは「自分がCEOだと思って考えてくれ」です。

    私たちは皆、お金を稼ぐために働いているのでしょうか? そうかもしれません。しかし会社が長期的に成功するには、誰に対して売っているのか、そのカスタマー1人にどれくらいエネルギーを費やして営業すべきなのかをよく考える必要があります。

    質問2:会社全体がカスタマーサクセスを意識して働いているか?

    同様にこれが重要な3つの理由を話します。

    1つ目は、そもそも組織の全員が既存カスタマーの成功を気にして働くのはマストということです。

    Xamarin社が上手く出来てることを示す面白い例があります。具体的にはサポート依頼の割り当て方です。

    Xamarin社には公式のサポートチームがあります。彼らは誰もが認める素晴らしいチームですが、実際のサポート依頼の大半はコアなソフトウェアエンジニアに直接割り当てられます。そしてより難易度が高い具体的なサポート依頼がサポートチームに直接割り当てられます。

    このやり方に2つの利点があります。

    何より大きい利点は、サポート依頼への回答時間を大幅に圧縮する点です。通常サポートエンジニアから回答を得るには8時間かかりますが、コアエンジニアだと恐らく4分で回答します。それは素晴らしいカスタマー体験です。

    しかしより重要なのは、カスタマーサポートチームとコアエンジニアの両者がカスタマーが抱える問題を正確に把握し理解できることです。これは非常に重要です。

    加えて、カスタマーの要望と問題点が実際のプロダクトロードマップに直接反映されます。これは、カスタマーサクセス責任者として成功したいあなたにとっては本当に重要な側面です。

    2つ目ですが、着任早々に他部門とどう協業すると上手くいくか理解してください。 大抵、カスタマーサクセスにとり兆速で効果がでることがあります。例えば、特定の文書やFAQなどです。誰かが書く必要がありますが、用意できればウェブサイトの適切な場所にリンクを張ることで直ぐに公開できます。そうすればカスタマーには非常に役立つことが多いです。

    このように、他部門や他部門の責任者がカスタマーサクセス部門やカスタマーの成功に貢献できることは何かないか?を考えてください

    3つ目、これは私がこれまで何度も何度もお話しした心底大事だと信じることです。

    初のカスタマーサクセス副社長に就任したあなたの仕事は、経営管理のダッシュボードを進化させ、会社の経営リズムをカスタマーサクセス、チャーン、リテンション中心に大きく変えることです。つまり経営チームが定期的に見る指標を大幅に変更することです。

    多くの会社が、新規の顧客や新規ロゴを獲得した時の祝福に多くの時間を使います。新規獲得は素晴らしいことです。そしてお祝いは基本的に良いことです。

    でも一方で、既存カスタマーへの売上拡大も新規と同様に祝福すべきことで、既存カスタマーの幸福度やリテンションに関する指標を管理することも凄く大事である、という点を他の役員に教育するのはあなたの仕事です。

    そのためには、非常に分かりやすく意味深い経営チーム用のダッシュボードを開発する必要があります。そしてそれを経営チーム全員が定期的に確認する必要があります。これは非常に重要なことです。

    質問3 セグメンテーションとチーム構成は適切か?

    私が大好きなもう1つのトピックはセグメンテーションとそれに基づくチーム構成です。

    セグメンテーションとチーム構成は会社の成長と共に進化します。最初は非常にシンプルに、成長して組織が進化するにつれより洗練されたニュアンスを添える必要があります。

    1つ目は、会社が今使っているセグメンテーションをあなたがよく理解する必要があります。

    セグメンテーション方法は複数あります。あなたのソリューションやテクノロジーがカスタマーの業務にどれ位ミッションクリティカルかの度合いに基づくセグメンテーション。ソリューションの活用法の違いに基づくセグメンテーション。カスタマーの規模や所在地や営業地域の違いに基づくセグメンテーション。またはそれらの組み合わせかもしれません。いずれにしてもセグメンテーションはあなたのすべての仕事の基礎になります。

    2つ目は、私が個人的にお勧めするマトリクスの作成です。「私たちのソシューションがカスタマーにとってどれくらい重要か」と「カスタマーの事業規模」の2軸からなるマトリクス表を作成してください。

    これを2軸で数マスの行列に整理すると、最も価値あるカスタマーが浮かび上がります。彼らはおそらく付き合いが最も長くなるカスタマーであり、結果として潜在的なライフタイムバリュー、要は収益へ最も貢献してくれます。

    そういった企業が誰なのかをよく認識し、そのカスタマーに最大の時間を使うことが非常に重要です。

    3つ目は、そのセグメンテーションに基づいてカスタマーサクセスチームを構成することが理想です。営業チームも同様のチーム構成にすべきです。

    以上3つの質問について見てきました。

    あなたが「着任後 30-60-90日計画」を用意した上でカスタマーサクセス責任者の任に着いたらどうでしょう?今話したような内容はおそらくすべて既に進行中か、さもなければ会社に対して新たな変化や、新しい気づきをもたらすでしょう。

    万一、これら3大トピックに対し組織の中で賛同やサポートが得られなかったら・・・それは、あなたが間違った会社に入社してしまったということを意味します!1日も早く脱出しましょう!!

    最後に、カスタマーサクセスは今最もホットな分野であることを覚えていてください。あなた自身の価値を自覚しましょう。

    あらゆる会社・組織があなたのような人を採用したいと熱望しています。ぜひあなたに相応しい職場を見つけてください。それはカスタマーの成功だけでなく、その会社の成功、ひいては長期的なあなた個人のキャリアの成功に繋がるからです。

    (原画)

    カスタマーサクセスに挑戦する人が、知恵と勇気と仲間を手にする実践者コミュニティ「SuccessGAKO」

    success gako

    SuccessGAKO(サクセス学校)はカスタマーサクセスの未来を創る挑戦者を輩出する学び場です。カスタマーサクセスを追求するのに必要な知識を学び、自分で考え、実行することで、自社、顧客そして自身も成功することを目指す人のために誕生しました。経験豊富な講師陣による講義と受講生限定のコミュニティとが共鳴し、一方的な知識の習得でなく、仲間と切磋琢磨しながら行動することに価値をおいた実践者コミュニティです。 

    『実践カスタマーサクセス』第4期 

    実践カスタマーサクセス

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