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サクセスマネジャーとプロダクトマネジャーの協業のカタチ

作成者: 弘子ラザヴィ|Oct 9, 2024 4:45:00 AM

サクセスマネジャーとプロダクトマネジャーの協業のカタチ

プロダクトマネジメントとカスタマーサクセスとの関係は、記事「プロダクトマネージャー気質なカスタマーサクセスマネージャーの作り方」も紹介しましたが、プロダクト出身のサクセスマネジャーさんとお話しすると大変盛り上がるトピックです。

日本では青本と呼ばれる書籍「Customer Success」で紹介されている10原則の中で、「プロダクトが優れていることが何より一番重要。優れたプロダクトなくしてカスタマーサクセスはありえない」は重要な原則の1つです。

カスタマーサクセスマネジャーは、プロダクト開発のプロである必要はないけれど、自社プロダクトの優位点をよく理解し、一方でカスタマーの問題をプロダクトへ橋渡しできなければサクセスはおぼつかない、ということです。

それほど深い関係でありながら、協働するのは割と難しいという複雑な関係でもあります。今回は、そんな複雑な両社の協働のカタチについて書かれた記事を紹介します。

プロダクトの「中」「外」など、欧米特有な発想があり読みづらい所もありますが、要はプロダクトとサクセスでは持っている視点が違うので、二者が協力してサクセスを目指せば最高に良いものができるよ! が大切メッセージです。

プロダクト出身やプロダクトチームとやり取りの多いマネジャーさん必読です!

注:Wootric社の許可を頂き原文の和訳を紹介します。

プロダクトマネージャーに告ぐ:ユーザージャーニーにカスタマーサクセスのマイルストーンを含めよ!

プロダクトマネジャーであれば、ユーザーが自社のSaaSプロダクトにサインアップしてからそれをサクサク使いこなすようになるまでの間のユーザージャーニーを設計します。

カスタマーサクセスも同じように、カスタマーが「成功」に至るまでのマイルストーンの流れを描きます。

しかしポイントは、プロダクトマネジャーとカスタマーサクセスマネジャー(以降、CSM)とでは「成功」の意味が異なるという点。そして、両者ともユーザージャーニーを設計するものの、目標が全く異なるため内容も全く異なるという点です。

プロダクトマネジャーは、プロダクトを機能的に動作させる責任を負います。プロダクトのユーザー体験は非常によく設計されているので、ユーザーはかなり直感的に理解できます。

プロダクトチームにとり「成功」は、プロダクトが予定通りよく機能することを意味します。大抵、プロダクトは予定通り機能し、実際予定通り「成功」します。

一方、カスタマーサクセスは、カスタマーがプロダクトを使って期待した成果を達成するのを手助けする責任を負います。大抵、期待する成果はプロダクトそのものではありません。実際それはプロダクトの「外」にあります。

たとえば、私が予算作成アプリケーションを購入した場合、私の期待する成果は「カリブ海のビーチで太陽を楽しむのに必要なお金を節約すること」です。つまり、カスタマーサクセスマネジャーの仕事は、私がカリブ海のビーチに行けるようにすることなのです。

プロダクトの「中」の世界に焦点をあてることと、プロダクトの「外」のより広い世界に焦点を当てることは、時に相入れず矛盾さえするように感じます。そしてその矛盾は、プロダクトとカスタマーサクセスとの間に深い深い乖離をもたらす可能性さえも懸念されます。

にもかかわらず、私たちは皆、同じ目標を達成するために努力しています!

もしプロダクトマネジャーのユーザージャーニーと、CSMのユーザージャーニーを統合したらどうなるでしょう? プロダクト内の機能は、同時にプロダクト外の期待成果も満たすでしょうか?

カスタマーサクセスマネジャーの視点

上図は、CSMが描く基本的なユーザージャーニーです。この種のジャーニーは、カスタマーが各マイルストーンをどう達成するのか、または期待成果に到達するまでにプロダクトがどう関わるのかを指し示しています。

しかしこの図には、CSMにとって最も重要な部分が描かれていません: それは、カスタマーがサインアップしてから期待結果を得るまでの間の「成功ギャップ」です。

そしてこの「成功ギャップ」こそが、カスタマーサクセスの仕事の大半を占める領域です。

「成功ギャップ」とは、プロダクトが機能することと、カスタマーが期待成果を達成することとの間にあるすべてです。

私の予算作成アプリの例でいえば、アプリは私がお金を節約するのに役立つかもしれませんが、私が素晴らしいカリブ海の休暇を楽しむのには役立ちません。もちろんプロダクトはそのために設計もされていません。

一方、カスタマーサクセスのコンテンツは ”そのために” 設計されています。電子書籍、ブログ記事、ソーシャルメディアの「クイックヒント」では、夢のようなカリブの休暇を過ごすのに必要なことすべてが紹介されています。

例えば、「ホテルの税金や航空会社の手数料を予算に含めることを忘れないでください」、「楽しい休暇には、二人分の食事に1日140ドルの予算を予定することを提案します」といった具合です。

事例ご紹介: HubSpot

HubSpotのプロダクトは、ソーシャルメディア管理、マーケティング、CRMおよび営業などのWebサイトが印象的に統合されたプラットフォームです。彼らのカスタマーの期待成果は「オンラインビジネスで成功すること」です。

そこで HubSpotのカスタマーサクセスチームは、マーケティング担当者向けにセールスブログを、マーケティング担当者向けにマーケティングブログを作成し提供しています。

また、Hubspot アカデミーでは、インバウンドマーケティング、電子メールマーケティング、インバウンドセールス、コンテンツマーケティング、セールスソフトウェア、マーケティングソフトウェア、Webおよびマーケティング代理店のためのデザインなど、様々な質の高いコースを提供しています。

つまり、HubSpotは彼らのカスタマーが彼らのプロダクトを使い事業で成功するために必要なものすべてを作って提供しているのです。

HubSpotは極端な例です。

ほとんどの企業はリソースが潤沢にありません。しかし、背後にある原則は誰でも適用できるものです。

即ち「カスタマーが事業で成功するのに必要なツールと情報を提供する」こと。そしてそこはプロダクトも関与する領域なのです。

プロダクトマネジャーの視点

プロダクトチームのつくるユーザージャーニーでは通常、ユーザーがプロダクトの「中」で次にやりたいこと、すなわち機能 A-Zがフル完備されているかが検討のメインです。

ユーザージャーニーには、ユーザーがプロダクトの「中」で使える多様なパスのオプションと共にプロダクト内の動作状況が図示されます。

もう一度言います。

「成功ギャップ」はこれら1つひとつのユーザー行動の ”行間” に存在しています。

通常、ユーザビリティでの成功ギャップを解消するにはアプリ内チュートリアルが使われますが、このようなプロダクトの「外」を考えるのはもはやPMだけの仕事ではありません。実はそここそ、カスタマーサクセスが取り組む領域です。

私がクライアントへ伝え続けていること

私のクライアントには大抵、プロダクトチームが作った完成済みのユーザージャーニーがあります。カスタマーサクセスチームが独自につくったユーザージャーニーは、あることもあれば、ないこともあります。

しかし、もしなかった場合、私は「つくりましょう!」と強く主張します。

なぜなら、CSMであるあなたは「成功ギャップ」がどこに存在するかをよくよく理解することが絶対に絶対に、ゼッタイにマストだからです!

でも最近はもっと新しい方法をお勧めしています。それは、プロダクトマネジャーとCSMがユーザージャーニーを協働作成することです。

ユーザージャーニーの例:

・オンボーディング、新規顧客の獲得、リテンションの各ステージ
・カスタマーの期待成果/成功のマイルストーン
・フリーミアムモデルから有料購読モデルに切り替えるタイミング
・カスタマーに口コミ紹介をお願いするタイミング
・アップセルをお願いするタイミング
・成功ギャップの存在を示すマーカー
・カスタマーがプロダクトの価値に最初に感動するタイミング、次のタイミング、そして期待成果を得るタイミング

これらこそ、プロダクト「内」の成功と、プロダクト「外」の成功を統合したユーザージャーニーです。そのようなユーザージャーニーからは、プロダクトで解決できる「成功ギャップ」解消案や、ユーザー体験をより改善するカスタマーサクセス案が次々と生まれます。

具体的にはこんな感じ:

上図は明らかに、大幅に単純化したバージョンです。

でも、プロダクトマネジャーとCSMが一緒に作業した感じが伝わりますよね? プロダクト + サクセス の協働ブレインストーミングは凄く意味がありそうに思いませんか?

最も重要な点は、このユーザージャーニーを見れば、ユーザーを期待成果へどう導けばいいかが、プロダクトとカスタマーサクセス両者の視点をもってよく理解できる点です。

こう考えてみましょう。

「成功ギャップ」があるということは、カスタマーサクセスとプロダクトとが協働でソリューション設計すべき「機会」があるという意味です。

協働設計すべきソリューションは、有益コンテンツやハウツーやビデオを作るなど、カスタマーサクセス寄りなこともあります。

しかし時に、アプリ内のポップアップヒント、マイルストーンのお祝いやアラートを作るための専門知識が必要だったり、簡単な修正や機能拡張、新機能追加だけでは解決できない深い課題のこともあるのです。

両者の視点をかけ合わせて課題をマッピングすることで、最初からカスタマーのサクセスを自社のプロセスへ取り込むことができるのです。

これだけは最低限やって欲しいこと

もしも今現在、あなたの会社のサクセスチームとプロダクトチームがプロダクトの機能面の完成度を議論するだけの関係ならば、会議室のテーブルに椅子を追加し、カスタマーサクセスチームのメンバーを是非招待してください。

プロダクトの機能が役に立ち、結果としてカスタマーがプロダクト「外」で期待成果を達成したならば、カスタマーはあなたのプロダクトに対し、もはや無しではいられないほど病みつきになること間違いなしなのです!