カスタマーサクセスの実践を通じて自社を変え、顧客に大きな価値をもたらした挑戦者の功績を表彰する『カーディ賞(Cardi Award)』。発表・審査を経て、日立ソリューションズ・クリエイトの斉藤美沙氏が初代カーディ賞を受賞されました。
本記事では、斉藤美沙さんによる発表(7分間)の全容を、受賞後のコメントと併せてご紹介します。
皆さん、こんにちは。日立ソリューションズ・クリエイトの斉藤と申します。現在、私は「仮想オフィスサービス」という製品のカスタマーサクセスを担当しています。
仮想オフィスサービスは、従業員同士を繋げるためのバーチャル空間や、会話のきっかけを作るコミュニケーション機能を提供することによって、従業員同士の関係の質を高め、組織の成長を促し、そして従業員エンゲージメントを向上する、というバリューを提供しています。
本発表では、私がSuccessGAKO(サクセス学校)の「認定カスタマーサクセス」と「スケールCS」、それぞれで学んだことを活かして、何に挑戦し、どのような成長を遂げたのかについて発表します。どうぞよろしくお願いします。
スライド上段をご覧ください。「CS知識ゼロ期(プリセールス時代)」のことです。
サービスの機能を丁寧に紹介するも、お客様の反応はいまいち。どうすれば受注できるのか、問題点が分からない状態でした。そこで、認定カスタマーサクセスを受講しました。
受講早々に、マインドセットが変化しました。
それまでのWhat起点から、Who起点へとマインドセットがシフトしたのです。
その後、初めてカスタマーサクセス活動を始めました。具体的には、顧客理解、そしてオンボーディングに特化したカスタマーサクセスのアプローチを開始しました。
認定カスタマーサクセス受講後、カスタマーサクセス活動が実を結び、初の外販受注を獲得。この功績が認められ、社内表彰されました。また、カスタマーサクセス自体の取り組みが認められ、ここで初めてカスタマーサクセス専任となりました。
続いて下段をご覧ください。「CSハイタッチ期(ひとりCS時代)」です。
とても苦しかった時期です。
ハイタッチ、かつ属人的な対応により、顧客に対して十分なフォローができず、継続契約に至らないケースが発生してしまいました。そこで、スケールCSを受講し、3つのことを取り組みました。
1つは、CS活動を体系化する一環で「プロセス管理表」を導入し、マイルストーンのチェックリスト化やタイムラインを定義しました。
2つ目は、他組織との協力体制の構築です。作成したプロセス管理表を基に担当を明確化することで、他組織と連携して顧客を成功へ導く体制を構築しました。
3つ目は、顧客ゴール設定です。仮想オフィスサービスが提供するバリュー、つまりビジネスアウトカムを明確化しました。
こうした取り組みにより、スケールCS受講後は、社内におけるカスタマーサクセスの取り組みや認知度が向上し、他のソリューションチームからCSの取り組み展開の希望が寄せられるようになりました。
現在は、カスタマーサクセス活動の更なるスケール化に向けて、顧客ゴールとマイルストーンを紐付けしたカタログの作成や、テックタッチ施策の対象範囲を拡大する取り組みを推進中です。
ここから少し具体的な成果をご紹介します。まず、CS立ち上げ期です。
ここでは、オンボーディング支援のコンテンツを開発しました。
左側は、特に今回ご紹介したい「課題整理ワークシート」です。お客様の課題と成功を理解することを目的とした、課題整理ワークシートというツールを開発しました。
このワークシートを使い、お客様の製品の導入背景から理想の姿をお客様と一緒に深掘りし、課題に紐づけていきます。こうした会話を通じ、お客様の課題と成功を明確化しました。
右側は、課題整理ワークシートで明確化した課題に沿って、おすすめ機能を提案します。お客様の課題を解決するのはこのソリューションのこの機能です、と具体的にご紹介します。
具体的には、ワオ・モーメントを意識した体験ミッションというものをお客様に提供し、楽しみながら機能を知ってもらうためのコンテンツをご提供します。
続いて、CSスケール期の成果です。2つあります。
1つは、再現性の追求です。
左側にあるのが「プロセス管理表」です。属人的アプローチを脱却すべく、オンボーディングの施策ごとに期限、担当、終了条件などを明確に定義しました。
ここは、カスタマージャーニーではなく、あえてプロセス管理表という名称にしました。そうした名称で、顧客の成功に紐づいたゴールやKPI、施策を営業と共有し、自分事として取り組んでもらう協力体制を構築しました。
右側、2つ目は、ビジネスアウトカムを意識した「顧客ゴール設定」です。仮想オフィスのビジネスアウトカムである従業員エンゲージメントと、その従業員エンゲージメントを達成するための製品自体の利活用度の2つのゴールを、お客様にあらかじめ提示しました。
これをもとに、オンボーディング期間中の達成状況をお客様と確認しました。さらに、このビジネスアウトカムを定量評価するための事前事後アンケートも開発して、より確実にお客様に価値を実感してもらえるよう取り組みました。
続いて、CS活動における他組織連携の追求です。
左側は、他組織連携の第一歩、「社内キックオフ」です。顧客理解を徹底するために、オンボーディングの開始前に、営業と社内キックオフを必ず実施するようにしました。
カスタマーサクセスとして必ず確認したい6つの基本情報を定義し、お客様のめざす姿や課題を営業と深掘り、確実にお客様を成功に導くための社内キックを実施するようになりました。
右側は、組織間連携に必須のマインドセットであるカスタマーサクセスの啓発活動です。営業向けに、カスタマーサクセスに関する基礎知識を伝える勉強会を開催しました。
加えて、CSの取り組み自体の成功事例や、お客様の「良かったよ」という声を営業に共有することで、カスタマーサクセスの有効性を実感してもらい、協力体制を強化しています。
まとめです。
挑戦では、まずコンテンツの開発とオンボーディング支援をスタートしました。さらに、属人化解消の取り組みとして他組織連携と顧客ゴール設定をしました。
変化としては、まずマインドセットの変化です。「製品を売る」から「顧客を成功へ導く」へシフトし、その視点で顧客提案するようになりました。CSスケール期では、営業がCSを意識した行動へと変化することができました。
続いて成果です。CS立ち上げ期では、外販受注第1号獲得と社内表彰、そしてCS専任としてのキャリアをスタートできました。CSスケール期では、CSを体系化するためのプロセス管理表により、属人化を解消し、他組織連携を強化できました。
最後に、皆さんに持って帰っていただきたい貢献です。この課題整理ワークシート、本当におすすめです。後ほど懇親会でお見せしたいぐらいおすすめです。お客様の課題とめざす姿を深掘りでき、お客様自身も自分自身の課題とめざす姿を明確に認識することができるのでおすすめです。
CSスケール期は、他組織を巻き込むためには自社にアジャストしたやり方で徐々に進めることが重要ということが分かりました。
特に、営業に伝えることを意識した名前、プロセス管理表という名称に変えることで彼らに自分事化してもらう、そうしたところを工夫しました。
以上です。ありがとうございます。
この度、栄誉ある第 1 回カーディ賞をいただき大変光栄に思います。今まで積み重ねてきたカスタマーサクセス活動をこのような形で評価いただきましたこと、大変嬉しく思います。
この栄誉は私1人の力ではなく、ご指導くださった SuccessGAKO 講師の皆さん、一緒に学んだ受講仲間たち、そして私の上司やチームメンバーの温かいサポートと応援のおかげです。本当にありがとうございます。
今後も、初代カーディ賞受賞者の名に恥じぬよう精進を続け、日本におけるカスタマーサクセスの発展に貢献したいと思います。
カーディ賞は、デジタル時代における日本企業の競争力向上をめざし、カスタマーサクセスの実践を通じて自社を変え顧客に大きな価値をもたらした挑戦者の功績を称える表彰制度です。
カスタマーサクセスの未来を作る変革リーダーを輩出する学び場、SuccessGAKO(サクセス学校)を運営するサクセスラボは、カスタマーサクセスの実践を通じて自社を変え顧客に大きな価値をもたらした挑戦者の功績を表彰する『カーディ賞(Cardi Award)』を創設。
2023年11月14日に第1回受賞者を発表しました。選出にあたっては、SuccessGAKO 受講生約300名の中からエントリーした7社7名が各社の取り組みをプレゼンし、挑戦・変化・成果・貢献の4項目毎に投票を行いました。
SuccessGAKOの受講生の多くは大企業に所属します。大企業がカスタマーサクセスに取り組む際には、事業モデル、組織、業務、企業文化や個人のマインドセットなどの変革を伴います。そうした変革とセットの事例を共有・表彰することにより、カスタマーサクセスに取り組み成果を出す日本企業が増えることを願い、本表彰活動を続けていく予定です。
なお名前は、SuccessGAKO のキャラクター名に由来しています。