Gainsight社のCEO、ニック・メタ氏が、数えきれないほど多くのCEOと議論する中から沸き起こったメッセージ、「カスタマーサクセスは全社テーマである! CEOよ、1日も早く目覚めて変革をリードせよ!」を伝える記事です。
カスタマーサクセスリーダに加え、ぜひ1人でも多くのCEO/経営者の方々に届けたいです。
注:Gainsight社の許可を頂き原文の和訳を紹介します。
「オーナーシップ」という言葉は、使われすぎている現代ビジネス用語の1つです。「クラウド」や「AI」のような旬の取り組みの「オーナー(当事者)」が 、典型的な大企業では少なくとも十数人いるのではないでしょうか。
不思議なことに、物事がうまくいかない時ほど「当事者」になる人を探すのはとても難しいものです。
私がよく知るCEOの中に、自分が当事者になることを熱望する人は1人もいません。流行テーマを抑える基本は「採用する」「任せる」「権限を移譲する」です。
カスタマーサクセスの登場初期はそれがうまく機能しました。
業界をリードするCEOがしたこと:
重要なのは、もしあなたの会社がこの段階にいるならそのカスタマーサクセスはまだまだ不十分だということです。最悪の場合、古いビジネスのやり方に後戻りしてしまうでしょう。
Gainsight社が何百社ものカスタマーサクセス戦略の構築を支援した経験から学んだのは、カスタマーサクセスはある部署として機能し始めたのち全社変革に発展して初めて意義あるものに繁栄することです。
そしてCEO自身が当事者となりその変革をリードすることが必須です。
私は先月、変革リーダーの当事者意識が強いCEO、そしてカスタマーサクセスに取り組む上場企業6社の経営管理チーム(CEO直轄)と半日ずつ過ごしました。
あなたがCEOなら恐らく「これ以上何かの当事者になるなんて、ぜったい無理だ」と思っているでしょう。すでに自社プロダクトの開発計画、事業の成長計画、資本戦略、そして企業文化醸成の当事者になるべし、と言われています。
しかし私は敢えて言います。「あなたが当事者にならずして、どうして変革が成功しようか?」です。あなたの会社の未来は、あなたの変革リーダーシップに委ねられています。
何十年もの間、差別化戦略は大きく2方向でした。
1)プロダクト:尖ったプロダクトを採算よく開発する力
2)販売:プロダクトをコスト効率よくカスタマーへ届ける力
早送りして現状を見ましょう:
1)プロダクト
モノ(ソフトウェアに加え、物理的なプロダクト含む)をつくるコストが急減するに伴い、プロダクトの差別化力も急速に低下。
2)販売
カスタマーがより強いパワーと知識ある買い手となり、ビジネスモデル(例えば、サブスクリプション、ペイ・パー・ユース、アウトカムベース)の変化に伴いリスクが買い手から売り手へシフトするにつれ、差別性ある販売力も急速に低下。
カスタマー(買い手側)が強力なパワーを持つこの新世界では、カスタマーはもはや、あなたのプロダクトや売り文句を気にもとめません。彼らが気にするのは「どんな成果が得られるか」だけです。
この新世界で生き残りをかける企業は、カスタマーサクセスこそが新たな差別化要因だと既に理解しています。非テクノロジー産業や伝統的企業の出遅れ組でさえ、カスタマーサクセスをテコに今現在のリーダー企業を飛び越えようとしています。
影響力ある業界リーダーはカスタマーサクセスに関する強いメッセージを数多く発信しています:
最新情報を学んでいる人なら、リテンションと売上成長の間に強い相関関係があるのをご存知でしょう。
とても簡単な算数です。より多くカスタマーを維持し、より多く支払ってもらえば、より速く売上が成長します。その相関関係は非常に際立っています。
以下はSaaS Capital社の分析です:
リンカーン・マーフィー氏は、この関係が企業評価額のアップとどう結びつくのか記事にまとめています。
興味深いのは、百戦錬磨の投資家ほどカスタマーサクセスこそがビジネスモデルの中核であると認識していることです。
OpenView Ventures社は、ベンチャーキャピタリスト(VC)が投資先の事業評価プロセス(デュー・デリジェンス)の一環として、カスタマーサクセスをどう評価しているか簡潔にまとめて発表しました。
投資銀行のPacific Crest社は、公開企業が報告するリテンション率の計算方法を包括した素晴らしい調査結果を発表しました。
私が普段よく話す投資家は、カスタマーサクセスをとてもよく理解しています:
先述の通り、カスタマーサクセスは最初はある1つの部門、または機能として始まります。
私がCEOから聞かれる最も多い質問は、「カスタマーサクセス責任者にはどの範囲まで責任をもたすべきか?」「契約更新はカスタマーサクセスの責任範囲にすべきか? エクスパンションはどうか?」です。
ある企業のカスタマーサクセス経験値が増すにつれ、カスタマーサクセス責任者の責任範囲にかかわらず、カスタマーサクセスが影響を及ぼす機会領域は責任者の責任範囲よりはるかに大きくなります。
カスタマーサクセスをより戦略的に推進する企業は、プロダクト開発、マーケティング、販売などのコア機能を大きく変えます。
ベストシナリオである全社変革を断行する企業では、全社員がカスタマーサクセスの一翼を担います。
プロダクト
マーケティング
販売
販売パートナー
サービス
サポート
IT
私たちは、中〜大規模の企業数百社に対し、カスタマーサクセス実務の成熟度に関するベンチマークを実施しました。
具体的には、カスタマーサクセスが(1)存在しない、(2)ひとつの機能として存在する、(3)組織横断的に存在する、(4)深く体系化されている、のいずれかに基づき、4セグメント(リアクティブ、インフォームド、プロアクティブ、プレディクティブ )に分類しました。
結果、カスタマーサクセス成熟度に基づくグロスレベニューリテンション(GRR)とネットレベニューリテンション(NRR)の改善度に直線的な相関関係を発見しました。
カスタマーサクセスを組織横断的に推進するレベル(レベル4)に到達すると、リテンション率は18ポイント高くなり、営業利益率もかなり大幅に向上します。
この「レベル4」に分類される企業のCEOは、カスタマーサクセスを個人的に信奉する企業憲章と位置づけています。
私たちは成長エンジンとして全社推進するカスタマーサクセスを表現する「ヒーリックス」モデルを構想しました。
コアとなる考え方は、あるチームから別のチームにカスタマーが「手渡し」される組立型モデルから90度反転させ、複数チームがカスタマージャーニーに基づく統合的な視点で共にパートナーシップを組む組織横断型モデルへのシフトです。
さて次は何をする番でしょう?
私たちは、成功事例を数多く紹介しています。企業の経営チームを集めてカスタマーサクセスをどう機能横断で推進するかを何度も議論しています。他部門を必須機能の期待レベルへ最速で引き上げ部門横断で協業するモデルをいくつも紹介しています。
Gainsight社の主導かどうかに関わらず、カスタマーサクセスがその役割をどう変化させ得るかを部門横断メンバーで討議することを強くお勧めします。
そういった討議を経れば、確実に次のステップが具体化されます:
ジャーニー
新たなモデルに基づき理想的なカスタマージャーニーを体系的に定義し、それに則って部門横断でどう協業すべき・できるか議論する
ヘルススコア
同様に、"健全な"カスタマーとはどういうカスタマーかをいくつかの重要指標に基づいて定義する
企業憲章
カスタマージャーニーに関する当事者意識が共有されたこの新世界における企業憲章(および関連する主要業績評価指標)を再定義する
繰り返します。CEOがカスタマーサクセスの推進に対し強い当事者意識を持つことが非常に重要です。
そして私は、皆さんがそれを実行するのを支援する当事者です。冗談でなく本気です。もしあなたがCEOで、当事者意識をもってカスタマーサクセスをリードしたいなら、ぜひお手伝いさせてください。