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カスタマーエデュケーションに取り組むべき理由

作成者: 弘子ラザヴィ|Jun 12, 2024 11:00:00 PM

カスタマーエデュケーションと聞いて、「カスタマーにプロダクトを利活用する方法を学んでもらうこと」と考える方は多いと思いますが、それは正確に言うと間違いです。

カスタマーに学んでもらう必要があることは以下3点です。

1. プロダクトやサービスの利用方法
2. 成功に必要なマインドセット
3. チーム編成の要件

「1.」を学ぶのは当然ですが、実はそれだけではサクセスに辿り着けません。「2.」と「3.」を学ぶことも必要不可欠なのです。

「2.」のマインドセットとは、サクセスが明快に定義されていて、その意義が決裁者や推進担当者の中で腹落ちしている、といった関係者の「姿勢」や「認識」を意味します。

カスタマーサクセスを実践し始めた頃は、「プロダクト導入を決定したカスタマーなのだから、ゴールが明確になっていて、熱意ある担当者がアサインされるのが当たり前だろう」と考えがちです。

しかし、やがて色々なお客様と接するうち、それは幻想だと気付きます。

決裁者でも動機がふんわりしていたり、キックオフに出てくる担当者に決裁者の意図が全く伝わっていなかったり、ということは決して珍しくありません。そんな時は、オンボーディング中にマインドセットを調整することになり非常に苦労します。

苦労が重なると、「カスタマーへのエデュケーションは受注前の営業段階から実施すべきだ」と強く思うようになります。なぜなら「2. 」や「3. 」は、受注後に初めて行うキックオフの時点で学んでいては手遅れなことが多いためです。

キックオフには通常、プロダクトの運用担当者も参加します。つまり、キックオフ前に「誰をアサインすべきか」「なぜ優秀なメンバーをアサインしてまでこのプロダクトやサービスを使うべきなのか」について関係者が理解し納得していることが大切です。

プロジェクトオーナーである決裁者と会話する機会がある受注前の営業段階では、マインドセットやチーム編成の要件についてすり合わせが可能です。つまり、カスタマーサクセスは営業と協働して受注前からエデュケーションに取り組むことが必要なのです。

問題は、営業側にそれをどうやって動機付けるか?です。

営業時にエデュケーションも必要となると、当然工数が余計にかかり、売上目標未達のリスクが生じます。そのため、営業を動機付ける方法も合わせて考える必要があります。

例えば、営業部門の目標をMRR(だけ)ではなくライフタイムバリューで設定する、営業とカスタマーサクセスの部門を合併して両方をマネジメントする部門長を付ける、などです。

このように、カスタマーエデュケーションとは、営業段階から念入りに設計することが大事な重要テーマなのです。

今回、当ブログサイトの人気記事「カスタマーサクセスに全力を尽くすSaaS創業者の必読バイブル」でお馴染み、元HubSpotのマイケルさんが書かれた、カスタマーエデュケーションに関する記事を以下にご紹介します。

カスタマーエデュケーションに取り組み始めたり見直したりする際は、以下6つの視点からそのメリットや進め方を議論してみてはどうでしょうか?

注:著者Michael Redbord氏の許可を頂き原文の和訳を紹介します

カスタマーエデュケーションプログラムを構築すべき6つの理由

カスタマーが抱く期待はかつてないほど高まっています。

その期待に応えるカスタマーサクセス、カスタマーへのサービス、エデュケーション、サポートに関しては、近年、数多くの選択肢が出てきています。しかし、数あるオプションの中からカスタマーに提供するものを選ぶ際に、「なぜ」それを提供するのかという根拠の部分は意外と見過ごされがちです。

私は、HubSpotという会社で長年カスタマーサクセスを推進しています。その経験から学んだことを1つだけ挙げるとすると、「なぜ」そのオプションを提供するのかという根拠を理解することが、カスタマーサクセスリーダーにとって実は最も重要なステップだということです。「なぜ」を理解することなく新しいプログラムの採用を決めることはありえません。

カスタマーエデュケーションは、カスタマーに向き合うチームにとってもカスタマーにとっても素晴らしい資産です。一方、無数にある他のカスタマーサポートの選択肢の中に埋もれてしまうこともあります。その運命を分ける「なぜ」の部分に関し、私の経験に基づき大切だと思う6つの根拠を以下にご紹介します。

もしあなたが今、カスタマーエデュケーションプログラムの提供を検討中ならば、以下6つの「なぜ(Why; 理由)」をぜひ参照ください。皆さんにとって、長期的により優れたカスタマー育成に役に立つ最適な「なぜ」があることを願っています。

1. チームと共に進化させられる

カスタマーエデュケーションは、カスタマーにとって最も適した形で提供すべきです。

このため、カスタマーのことをより深く知りながらエデュケーションの形を進化させていくのがよいでしょう。例えば、最初は見込み客やカスタマーに向けたプロダクトやサービスに関するFAQページという形で始まるかもしれません。

カスタマーサービスのチームが大きくなり、チームメンバーがより数多くのカスタマーからの問い合わせに対応するようになると、同じトラブルシューティングに関する質問が繰り返し発生することに気付くでしょう。

そうなったら、カスタマーサポート関連のナレッジベース構築に取り掛かるタイミングです。ナレッジベースはカスタマーとの対話の助けになるだけでなく、カスタマーが答えを自分自身で得るために直接参照るのにも活用できます。その方がサポートチームへ問い合わせるよりも早く問題を解決できるでしょう。

プロダクトやサービスの使い方を紹介する際には、動画という形式が適していることもあります。動画なら、ユーチューブやソーシャルメディアを活用して、コミュニティの中でシェアすることも可能です。

プロダクトやサービスが急速に市場に普及した後は、プロダクトの使い方に関する詳しいトレーニングを提供する講義やアカデミーを作るとよいでしょう。弊社でも、Hubspotというサービスで「ハブスポットアカデミー」を立上げ運営しています。

カスタマー基盤がどれだけ大きくても、ニーズの内容がどれだけ多様でも、上記のようなカスタマーエデュケーションの取り組みを1つないし複数組み合わせることで、あらゆるニーズをカバーできます。

2. カスタマーサポートの仕事を減らす

カスタマーサポートのチームは、カスタマーから寄せられる質問や問題に対応するために存在しています。

カスタマーエデュケーションプログラムがあれば、カスタマーから単純な質問が寄せられることが減り、チームはより重要なバグやトラブルシューティングなどの問題に時間を割けるようになります。

小さな問題はカスタマー自分自身が簡単に解決できるような仕組みを構築することで、カスタマーサポートのチームはバグなどのより大きくて重要な問題に対応できるようになります。つまり、カスタマーへプロダクトやサービスの価値を届けるために、よりプロアクティブに動けるようになるのです。

問い合わせに受け身で対応するカスタマーサポートからプロアクティブなカスタマーサクセスに進化を遂げることによって、カスタマーの長期的なロイヤリティを獲得できるようになり、カスタマーに向き合うチームの実力が向上するでしょう。

3. 営業活動をサポートする

営業担当者は、見込み客から受注を勝ち取るため、いかなるリソースを駆使してでも、競合他社と自社とを少しでも差別化しようとします。

カスタマーエデュケーションプログラムは、営業が差別化をアピールする上で大きなアドバンテージになります。営業担当者は、見込み客がカスタマーになればエデュケーションプログラムというサービスを受けられるという点を大いに売り込むことができるからです。

また、カスタマーエデュケーションプログラムは、営業担当者自身がプロダクトのエキスパートになって、見込み客とコミュニケーション中に発生する質問に対しより的確に答えるのにも役立ちます。

ヘルプ関連の資料や使い方を紹介する動画は、カスタマー体験を向上させるだけでなく、営業担当者をサポートすることになるのです。

4. ブランドキーワードでの検索結果で自社のウェブサイトが表示されやすくなる

プロダクトやサービスの使い方についての資料を作成・公開していくと、ブランドキーワードでの検索結果にそれらが表示されるようになります。見込み客やカスタマーの中には、サービスに関する特定のキーワードで検索する人が増えているためです。

例えば、Hubspotに関しては、「ハブスポット CRM 無料 利用」や「ハブスポットでブログを書く方法」などのキーワードが実際に検索されていて、HubSpot社が公開しているナレッジベースから回答を入手することが可能です。

このようなキーワードで検索している人には、きれいにまとまったブログ記事は役に立ちません。むしろ、使い方を詳しく説明しているヘルプ資料の方が、彼らの意図に合致した、必要としている答えを早く提供できるでしょう。


5.費用対効果が高い

カスタマーエデュケーションプログラムは、カスタマーからの質問に対し、1対1ではなく、1対多数で答えることができる、とても費用対効果の高い方法です。

あなたのチームの人材は、並外れたカスタマー体験を提供することで競合優位性を生み出せる大切な要素でしょう。しかし、カスタマーエデュケーションもまた、カスタマーをサポートしてあなたのブランドに対してよりロイヤリティを獲得するための差別要素になります。

カスタマーサポート担当者やカスタマーサクセスマネジャーは、カスタマーとの1対1の対話を通してカスタマーとの関係性を良好に保ち、深めています。

カスタマーエデュケーションプログラムは、カスタマーが簡単な質問に対してすぐに答えを得られる状態にすることや、プロダクトやサービスから最大限の価値を引き出すのにとても役立ちます。

6.カスタマーが自己解決するのを助ける

私たちは、自分の仕事は全て無くてはならないものだと考えがちです。実際に必要不可欠な仕事も多いでしょう。

しかし、大抵の人たちは、電話やメールをするよりも検索エンジンを使って質問の回答を得る方が効率的だと感じています。 カスタマーは自分自身で問題を解決できることを望んでいます。カスタマーの時間はあなたの時間と同じくらい貴重なものです。

カスタマーサポートチームが提供するサービスの総量を増やすための手段は、担当者をもう一人雇うことよりも、テクノロジーを使うことの方が適しています。

テクノロジーを活用すれば、カスタマーが様々なチャネルや方法でサポートを得ることができるようになり、カスタマーサポートチームの工数も減らせます。

以上、カスタマーエデュケーションを導入すべき6つの理由を紹介しました。

カスタマーエデュケーションは、カスタマーを惹き付け、ずっと使い続けたいと思われるような先進的かつ革新的な会社が実際に活用している手段です。カスタマーをしっかりサポートしつつ、カスタマーに向き合うチームの時間や業務フローが拘束されません。

また、検索経由でウェブサイトの訪問者を惹き付けたり、営業段階での競合優位性としてアピールできたり、カスタマーサポートチームの業務を助けたり、カスタマー自身が自己解決をする助けたりと、想像以上に多くのメリットがある方法です。