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カスタマーサクセスが組織の風土に根付き、全員参加のカスタマーサクセスを推進

作成者: 弘子ラザヴィ|Jan 22, 2024 8:00:00 AM

『実践カスタマーサクセス』第3期が2022年4~8月に開催されました。

カスタマーサクセス部門を統括する現役リーダーである講師陣のもと、受講生は講座を通して、自社の実務に即した実践的な「カスタマーサクセス計画大綱」を作成しました。

プログラム修了後、それぞれの現場でどのような成果が生まれているのか、受講生のリアルな声をお届けします。本記事では、パナソニック ソリューションテクノロジーの盛長さんと関戸さんのお話をご紹介します。

経営層からカスタマーサクセス展開の期待を受け、2022年度にカスタマーサクセス部を新たに創設。何から手を付ければよいのか手探りの状態で『実践カスタマーサクセス』を受講されました。

学びを基に、横串の技術、サポート部門に属するカスタマーサクセス部隊として、事業部をデータで支援するCS Opsを進めるという方針を決定。データ基盤を設計、構築し、商材毎のヘルススコアを定義、見える化を推進しました。

同時に、ワーキンググループを作り、約1年間、週次で事業部と議論を重ね、カスタマーサクセス活動を伴走し推進した結果、会社全体にカスタマーサクセスを根付かせることに成功しました。


1.この事例のポイント

  • カスタマーサクセス部ができたが、何から始めればよいのか悩んで受講を決意
  • カスタマーサクセス部が、複数商材を横串で支援する技術、サポート部門に属し、かつ実働2名体制のため、直接的なカスタマーサクセス活動を推進することが困難
  • 受講を経て、カスタマーサクセス部をCS Opsとして定義し、「事業部をデータで支援する」方針が明確になった
  • 同時にデータ基盤を構築、商材毎にカスタマーヘルスをカスタマイズして事業部へデータを提供
  • ワーキンググループを立ち上げ約1年間、商材毎に週次で細かい議論を重ねたことでカスタマーサクセス活動が根付いた
  • 最も大きな変化は、会社全体にカスタマーサクセスの概念が認知され、カスタマーサクセス用語が日常的な言葉として使用されるようになったこと、そしてお客様の声に耳を傾ける文化が広がったこと


2.所属企業・担当ビジネスについて

  • パナソニック ソリューションテクノロジー株式会社
  • カスタマーサクセス部担当部長の盛長政幸さん、そして同部カスタマーサクセス課課長の関戸智史さんは、2つの事業部に横串を通す技術、サポート部門の所属として基盤構築・運用、カスタマーサポートを支援


3.受講開始時の課題を教えて!

盛長さん

カスタマーサクセスに取り組む必要性について、2021年から事業計画で経営層に提言を行い、経営層の中でも重要な取り組みとして認識されてきていました。当時、競争が激しいAIチャットボット市場で自社商材のチャーンが増加し始めていたことが背景にあります。

翌2022年度に、運用サービスをメインでしていた部が、体制は同じで、ミッションが追加され、カスタマーサクセス部に名称が変わりました。

カスタマーサクセスの担当は、私と関戸の2人だけ。何から始めたらいいのか途方に暮れていました。

関戸さん

ずっとサポート、いわゆる保守でキャリアを積んできた自分がカスタマーサクセスという概念に出会い、受身ではなく能動的な動きを取る役割が今後広がっていくんだなと、期待感や可能性を感じました。

カスタマーサクセスを進めていけば自分のキャリア形成にもつながるし、会社の方向性にも合っている。ちょうどいいタイミングで出会いました。


4.なぜ受講しましたか?

盛長さん

カスタマーサクセスの実行計画ってどうやって作るんだろうとネットで調べていたら、弘子さんの記事がでてきて、サクセス学校というのがちょうど開講すると発見しました。

学んだことを社内へ伝えるには2人の方がいいだろうと思い、「これ、いいんじゃない?」って関戸さんと相談し、予算を取って2人で参加しました。


5.プログラム受講後の効果は?

盛長さん

参加してすぐに、自分達がやろうとしていることは無謀だと気づきました。

横串の組織で、実働2名の状態で、多数ある商材すべてのカスタマーサクセス活動を行うのは無理があるし、利益の責任を持たない組織でカスタマーサクセスの戦略を考え、実働が伴わないというのは経営層が納得しない。

最初のタイミングでそのことに気づき、現実的な方針と実行計画を作れたのは大きな成果です。


CS Ops体制を構築

盛長さん

SuccessGAKOで「全部門でカスタマーサクセスを実践する」事例を学び、「そっちの方がいいんじゃない?」って考えて、CS Ops を立ち上げる結論に至りました。そうした気づきをもらえたのは有難かったです。

その方針に基づいてワーキンググループを作り、私達の立ち位置と事業部がすることを整理しました。

データで語るという意思をもち、何を数字で見える化するかを考えました。最低限、契約情報やチャーンの情報。そして商材毎に異なるカスタマーヘルスは、各事業部と一緒に議論しながら決めていきました。

その際、SuccessGAKOで学んだ理論を基に筋道を立てて議論できたのがよかったです。

「これをやろう!」と言うだけでは事業部に受け入れてもらえない。なぜそれがよくて、どんな効果を期待できるのかを理論立てて伝えることで納得してもらえ、その後の活動が定着したと思っています。


データに基づくCS基盤を構築

盛長さん

カスタマーサクセスの理解が進むにつれ、「契約をちゃんと管理しないとチャーン率をだせないね」「カスタマーヘルスは商材毎に設定するのがいいね」「でも同じ仕組みでだしたいね」という話になりました。

そこで、「CS基盤」の仕組みを自分達でクラウドに作りました。

すると、それまでの「こんなデータを見たい」という議論が、データが見えるようになったことで、「こんな対策が要るね」という議論に変わったんです。

関戸さん

過去は、データがない中で総当たりするやり方でした。

今は、カスタマーヘルスを見てスコアの悪いお客様を特定して対策する「選択と集中」に変わりました。それが、CS基盤を入れてよかった点です。

盛長さん

お客様アンケート結果とも照らし合わせ、新機能の反響をプロダクトに伝えました。そして、そうした活動報告を役員にしたところ、逆に役員から要望が届き、やりたいことが進化しています。


事業部とワーキンググループで1年間議論

盛長さん

事業部とは1年かけて議論しました。最初は、「カスタマーサクセス部と事業部でチームを作ってカスタマーサクセス活動を進めましょう」といってワーキンググループを始めました。

ワーキンググループでは毎週、ケンケンガクガクの議論を商材別にやりました。

学校で学んだことを資料にして、「カスタマーサクセス活動ってこうやるんです」と伝え、具体的な活動内容を決めていきました。そうしてカスタマーヘルスの議論まで深掘りしていきました。

私達はことある毎に「カスタマーサクセス部はデータ基盤の設計、整備などのカスタマーサクセス活動の伴走支援に徹する」と伝えました。それでも営業を含む事業部では、「カスタマーサクセス部が全部やるんじゃないの?」って意識がなかなか抜けなかったです。

カスタマーサクセス活動が本格的に回り始めた今年、ようやく正式に立ち位置を変えました。「私達は、CS Opsとしてカスタマーサクセス活動に必要なデータをお渡しする役割に回ります。実行は事業部にお願いします」と責任者に伝え、理解してもらえたのです。


最も大きな変化はカスタマーサクセスの意識が組織に浸透したこと

関戸さん

お客様の声に対してより耳を傾ける流れに変わったことが一番大きいです。

これまでの、営業がひろってくる声の大きなお客様の単発情報から、広く情報を集める流れ、例えばアンケートをとって分析し次のアクションにつなげたりするようになりました。

私は常に「皆さん、もうやっていませんか?それを形にしませんか?」って声かけしました。やっているけど、個人の活動だったり、単発だったり。それを組織的にみんなでやりましょうって。

今までは確かに、売ったら次の新規案件に集中するという考え方がありました。でもカスタマーサクセスが浸透し、チャーンを防ぐ活動をちゃんとしようという動きがでてきたことが大きな成果です。

盛長さん

同感です。カスタマーサクセスという言葉を社内の誰もが普通に使うようになったことが一番大きな変化です。事業部全体で、「解約防止やカスタマーサクセスはどうしているんだ」という議論がされています。


6.受講検討者へのメッセージ

盛長さん

実践カスタマーサクセスでは色々な方と巡り会えます。自分と似たような悩みを持っている方と直接会話することで、色々な気づきが得られます。私も実際そうでした。そこがお勧めです。

関戸さん

受講前は費用が高いと感じました。今は、色々な人との出会いなど、お金に代えられない価値があったと思います。悩みを共有することで得られる安心感や、そういう考え方もあるっていう気づきもありました。

受講前は、ロールプレイングゲームに例えると、冒険に出でた瞬間で、どこに進み、何をすればよいかわからないという状態でした。そんな私達にとって、講義の内容は何を準備し・どう進み・どう活用したらいいかが揃っていたんです。受講して本当によかったです。