既存顧客との関係強化が成長戦略の中心になる中、「顧客へ継続的に価値を届ける組織・人材づくり」が重要テーマになっています。
それに伴い、「指示遂行型リーダーが多い」「カスタマーサクセスの業務は遂行できても理念を語れるリーダーは少ない」といった課題を抱える企業が増えています。第一生命保険も、そうした課題意識から人材育成に取り組む企業の1社です。
本記事は、自社のカスタマーサクセス部員の教育に「認定カスタマーサクセス・法人研修」を採用された第一生命保険の事例について、同社でご担当された千葉さん、南さんのお話をご紹介します。
なお、「認定カスタマーサクセス・法人研修」は、カスタマーサクセスの実践に必要な知識を体系的に学べると好評を得ている SuccessGAKO(サクセス学校)の看板プログラムを、会社単位で受講いただく法人用プログラムです。
当社は会社としてカスタマーサクセスに注力しています。私たちが所属するカスタマーサクセス部は、2024年の新設以降も拡大を続け、現在は約700名規模の組織に成長しています。
組織が大きくなるにつれ課題を感じるようになりました。それは、カスタマーサクセスを業務として遂行できる人材は増えても、その背景にある理念や考え方、戦略的意義まで語れる人材が限られていたことです。
また、特定のキーパーソンに知見と期待が集中する状態への危機感もありました。当社は異動もあるため、限られた人材に依存する状態は持続性がありません。
部として、新任メンバーには1か月かけて研修をする中で理念の教育をしています。そこで、「なぜカスタマーサクセスが重要なのか」「当社の成長にどうつながるのか」といった本質的な意義を語れるメンバーの育成が喫緊の課題でした。
数回にわたるメールマガジン形式でカスタマーサクセスの概念を自社に置き換えた解説を届ける試みもしました。しかし、皆さんがどこまで内容を自分ごととして捉えて実務に活かしているのか、実際の効果を検証することは容易ではありません。
カスタマーサクセス活動のすそ野が広がる中、現場で活躍する人材が、実務と理念の両面からカスタマーサクセスを語り、自社の戦略として推進できる状態をつくりたい。そのための人材を育成する必要性を強く感じていましたし、それが私たちに期待された役割でした。
写真:千葉さん
当時、複数の選択肢を調べましたが、専門性・実績・再現性の観点で納得できるものは非常に限られていました。特に、カスタマーサクセスに特化した研修は他に見つかりませんでした。
「認定カスタマーサクセス・法人研修」を選んだ決め手は3つです。
何より、日本におけるカスタマーサクセスの第一人者であり、通称「赤本(『カスタマーサクセスとは何か(2019年、英治出版)』)」の著者である弘子さんから直接学べる点です。「弘子さんが指導してくださるならメンバーに最も響くはずだ」という安心感がありました。
また、パッケージ化された講義ではなく、当社の状況に合わせて内容をカスタマイズしてもらえる点や、インプット中心ではなく議論やアウトプットの機会が豊富に設けられていることも魅力でした。
そして、私たち自身が「無料体験」で事前に内容の一部を確認できたことも大きかったです。第1章だけでも新たな気づきがあり、現場に必要な内容だと感じられたので、確信を持って採用することができました。
写真:南さん
本研修を受講したメンバーには数多くの変化が生まれました。
受講前、カスタマーサクセスについて「こうした考えは大切だな」と思う一方、「でもうちは生命保険会社。SaaS企業とは事情が違う」という意識を誰もが多少もっていました。
講義で議論を重ね、他社事例にも触れることで、「自社に取り入れられることはたくさんある」と誰もが気づきました。結果、他社事例をヒントに自社の進化を考える姿勢が生まれ、後の自発的な行動の源泉になっていきます。
受講したカスタマーサクセス部のリーダーたちの仕事は、「本部や企画部門が決めた指示を現場へ展開する」ことです。基本的に受動的な姿勢でした。
研修で「どうすればお客様により良い体験を届けられるか」を自分事として考える思考が根付きました。結果、日々の業務を企画目線で考えることの重要性と楽しさに気づき、やりがいをもって仕事に向き合うように気持ちが変化していきました。
各自が学びを自チームへ持ち帰ったことで自発的な取り組みが生まれました。
ある人は、課内で「感謝の事例コンテスト」を開催しました。ある人は、課内でカスタマーサクセスの討議会を実施しました。そして受講者たちは、それを他の受講仲間に共有しました。こうした、会社からの指示ではない、自分たちで考えた取り組みが複数生まれています。
当社の組織文化としてボトムアップの取り組みは多くないだけに、「自分たちで考えてやってみよう」という風土が生まれたことは成果だと思っていますし、私たち自身も驚いています。
認定カスタマーサクセス・法人研修は、講師の話を一方的に聞く従来型の研修とは一線を画しています。
受講生がインプットした知識を自分の中で咀嚼し、提示された課題に対して自ら考えて解を導くプロセスが設計されています。カスタマーサクセスを推進する人材を育てるうえで、半年や1年で終わらない「持続性のある基礎力」を養う研修だと思います。
もう1つ強調したいのは、サポート体制の充実度です。Slack経由でいつでも講師に質問・相談でき、個別相談の時間ももらえます。受講生サイトの「図書室」には、他社の事例を学べる動画など、積極的に学習できるコンテンツが充実しています。
カスタマーサクセス組織を立ち上げて間もない企業はもちろん、現場のメンバーにもっと主体性を持ってほしいと考えている方には、自信を持っておすすめできる研修です。
第一生命保険は、ここ数年、デジタル時代にふさわしい収益が生まれるアフターサービスへの変革に取り組まれています(詳細は記事『カスタマーサクセスで収益が生まれるアフターサービスへ変革 』をご参照)。その一環で人材育成も積極的におし進め、着実に成果につなげています。
生命保険会社を含む日本の金融業界では、今後ますます、新規獲得の競争以上に、既存顧客基盤の深耕が経営テーマになります。その時に必要なのは、変革を担い、現場で自ら顧客価値を生み続ける人材です。
今後も、既存顧客基盤を成長エンジンに変える人材育成を支援できるよう、私たちSuccessGAKOも一層研鑽を続けたいとお2人のお話を伺いながら決意を新たにしました。