カスタマーサクセスを体系的に学べると好評をいただいているプログラム「認定カスタマーサクセス」は、SuccessGAKO(サクセス学校)の看板プログラムです。同プログラムの学習コンテンツを自分のペースで好きな時に学べるオンデマンド(eラーニング)プログラムが、「認定カスタマーサクセス・セルフコース」です。
本稿は、同セルフコースでカスタマーサクセスを学ばれた、freee株式会社の植村さんのリアルな声をお届けします。営業職として約20年のキャリアを築いてきた植村さんが、なぜカスタマーサクセスという新たなフィールドに飛び込んだのか。そして、体系的な学びが営業経験をどのように「再編集」してくれたのか。営業職の方にこそ読んでいただきたい内容です。
私は現職に就く前の約20年間、営業畑でキャリアを積んできました。ラインマネージャーや事業責任者を経験する中で、「営業という基盤を活かしながら、まったく違うフィールドに挑戦したい」という思いが強くなっていきました。
そんな時にご縁に恵まれたのが、現職、freeeのカスタマーサクセス本部の部長職でした。
私はそれまで、カスタマーサクセスの実務経験はありませんでした。そして、入社するポジションは部長職です。入社後にゼロからキャッチアップするのでは完全に遅い。概念も十分理解できていない状態で現場に立つわけにはいきません。
そこでまず、書籍で学び始めました。弘子ラザヴィ先生が執筆された、通称「赤本(注:「カスタマーサクセスとは何か」英治出版、2019年)」をはじめ、青本など手に入るものは片端から読みました。
結果、点としての情報はたくさん集まりました。けれど、それぞれの知識がどうつながるのかが今ひとつ見えない。実務を始めれば分かることもあるとは思いつつ、「ゼロから体系的に学べるパッケージがあれば、入社後に現実を見ながら何を基準に判断すべきかの軸が持てるはずだ」と考えました。
このように、自分が望むキャリアチェンジへの挑戦を前に、カスタマーサクセスについて体系的に学べる機会を探していました。
弘子先生の書籍(赤本)を読んでいた時、SuccessGAKO(サクセス学校)の存在を知りました。
フリーへの入社は1月の予定で、その直前にお正月休みがありました。「このお休み中に、自分のペースでクイックに受講できるプログラムはないかな」と探したところ、サクセス学校が提供する「認定カスタマーサクセス・セルフコース」がまさにその条件に合致したのです。
その他の学習プログラムと迷うことはありませんでした。
選んだ理由は明確で、「業界の実態を分かっている方が主催する、体系的な学びのプログラム」であることです。赤本を読んだ時に感じた分かりやすさへの信頼が大きかったです。「この書籍の著者が体系化したコンテンツなら、クイックに、かつ深く学べるはずだ」。そう確信して受講を決めました。
最大の気づきは、「自分がこれまで営業職で大事にしてきたことと、カスタマーサクセスの仕事にはものすごく大切な共通点がある」ということです。
実は、採用面接で面接官から「営業の経験を活かせると思います」と言われた時、正直、何がどう活きるのかあまりピンときていませんでした。
セルフコースを受講して、顧客との関係性の築き方、カスタマージャーニーの設計、顧客理解に基づく支援のあり方といったテーマに触れた時、「これは営業プロセスそのものだ」と感じたのです。受講して初めて、営業の経験を活かせることにものすごく腹落ちした、というのが一番の気づきですね。
もちろん、相違点もあります。私が前職で経験したのは人材紹介ビジネスの営業で、採用が決まった時点で成功報酬をいただくモデルでした。一方、SaaSのカスタマーサクセスは、月額で継続的にご利用いただくモデルです。つまり、「信頼が積み上がるタイミング」が根本的に違います。
最初、この時間軸の違いがずっと頭の中で噛み合っていませんでした。
けれど、学習コンテンツの図解、たとえば、カスタマージャーニーや成功ギャップ(カスタマーの成功とプロダクト価値との差分)、顧客との関係性の変遷を視覚的に示した図などを見た時に、「ここが、時間軸が伸びることで広がる領域だ」と、自分の経験と照らし合わせて理解が一気に進みました。
つまり、私の中で、言葉で点として持っていた知識が図解され、「この状態だからこう進む」という流れが見えたことで、自分の中で蓄積してきた営業の経験値と繋がったのです。
この気づきは、入社後の実務にも直結しています。
freeeのプロダクトはバックオフィスのDXを支援するSaaSです。お客様の中には、今までExcelや紙で行っていた運用をそのままシステムで再現したいという方が少なくありません。しかし、DXの本質は現状の再現ではなく、システム導入を機に、より良い業務フローへと作り替えることにあります。
お客様のご要望をそのまま受け入れるのではなく、「お客様の成功を考えたら、実はこちらの方が良くありませんか?」とご提案する。これはまさに営業で培った力が活きる場面です。
もう1つ、結構大きな学びだったのは、カスタマーサクセスは「関係性をマネジメントする仕事なのだな」とすごく腑に落ちた点です。
カスタマーサクセスの仕事で面白いことの1つは、お客様の担当者との関係、経営層との関係、そしてお客様の社内の力学など、売った後の「関係性」が複数存在することです。また、初めて契約した時の期待感は、時を経て失望が生まれることもあれば、できることが増えて新たな可能性が広がることもある。
つまり、それぞれの関係性は変化する。そうした変化の中で、こちらの希望や要望からの一方向ではなく、お客様が実際にどう行動していて、お客様の社内で何が起きているのかを起点に関係性を捉え直すことがとても大切です。
営業も、本質的には顧客との関係性をマネジメントする仕事です。ただ、営業の多くは1対1の関係性が中心です。一方、カスタマーサクセスでは、それを1対Nの世界で、スケールさせながら長い時間軸で展開していく。同じ本質を持ちながら、まったく違う筋肉を使う仕事だなあ、と実感しています。
セルフコースでの学びを一言で表すなら、「営業としての自分の知を再編集する編集素材をもらった」という感覚です。
知識がゼロから積み上がったというよりも、20年かけて蓄積してきた営業の経験や知見に、カスタマーサクセスという新しいフレームワークを重ねることで、自分のキャリアを再編集し進化させることができた。それが一番の収穫です。
営業の経験が長い方の多くは、お客様の成功を支援したい、お客様の役に立ちたいという気持ちを持っていると思います。その気持ちがなければ、営業という仕事を長くは続けられないと思います。
営業は職種としての歴史が長く、売上の方程式やフレームワークなど、体系化された知見が豊富にあります。一方、カスタマーサクセスは比較的新しいフィールドです。
だからこそ、面白い仕事だと思います。
営業の世界で培ってきた経験や知見を活かし、まったく新しいやり方で、自分がこれまで大事にしてきたことを展開できる。それがカスタマーサクセスの魅力だと私は思っています。
特に、「お客様と中長期で関係を築きたい」「顧客との関係性のあるべき本質を追求してきた」タイプの方にはおすすめです。短期的な売上だけでなく、顧客との関係を長い時間軸で捉えたい方にとって、カスタマーサクセスは、ご自身の信念や思考をスケールする方法で体系化し、仕組みとして展開できる魅力的な仕事です。
営業で積み上げてきたキャリアに、カスタマーサクセスという新たな領域を重ねて再構築することに興味がある方には、ぜひおすすめします。
写真:植村さん