SuccessGAKO(サクセス学校)では、カスタマーサクセス人材の育成を通じた女性のキャリア支援にも力を入れています。テーマは「Being Myself (自分らしく生きる)」。仕事を通じた、自分らしい生き方の実現です。
SuccessGAKO で学び、カスタマーサクセスチームを立ち上げたリーダーとして高い成果を上げた松平恵美さん(注)。会社から与えられたミッションに挑戦する日々のなかで、「自分が本当にやりたいことは何だろう」と疑問を抱きました。
答えを得るために働きながら学びを続け、新しい職種へ挑戦。そんな今も、カスタマーサクセスの経験を活かして活躍されています。
自分のやりたいことに真摯に向き合う原点には、大病を患った過去がありました。「人生をやりたいことで埋め尽くそう」と歩き始めた松平さんのキャリアストーリーをご紹介します。
注:参考記事『未経験の2人で業務設計できた!売上が伸び10人超のチームへ』
「私が本当にやりたいことって何だろう」と考えたことです。
前職の会社にはデザイナーとして入社しました。そこからマーケティング部門の立ち上げや、AIを使った新規事業の開拓、カスタマーサクセスの立ち上げと、新しいミッションへの挑戦が続きました。
どの仕事も楽しかったし、全力で取り組みました。でも、すべて会社から与えられたミッションなのです。
「自分がやりたいことを軸にこれからのキャリアを考えてみよう」と、キャリアの棚卸しをした結果、転職に繋がりました。
写真:松平さん
SuccessGAKO 受講後に、多摩美術大学の短期講座で「デザイン経営」を学びました。
社会に出てから、3か月間集中して学んだのは SuccessGAKO が初めてでした。働きながらでも学べることや、学ぶ楽しさを知り、以前から関心のあったデザイン経営について学ぼうと思ったのです。
短期講座では、「人生の中で心を動かされた写真を4枚持ってくる」「自分が描きたい未来をポスターにする」という課題がありました。課題を通して、自分が大切にしていることや、美しいと思うもの、楽しいと思うこと。普段は意識していない、自分の本質的な部分にアクセスする機会が増えたのです。
すると、デザインがしたくて入社したことを思い出しました。マーケティング部門に異動して以来、次々と新しい機会を与えてもらい、目の前の目標に向かって走り続けてきたけれど「そういえば、私はデザインがやりたかったんだ」と。
もともとやりたかったことはデザインですが、マーケティングやカスタマーサクセスなどのビジネス分野を経験したことで、確実に視野は広がりました。
これまでに経験したデザインとビジネスの視点を掛け合わせることができれば、自分の強みになると考えたのです。
思い立ったものの、これからのキャリアを具体的に描くことはできないし、社内にロールモデルもいません。「それなら、外で学ぼう」と、学際デザインを学ぶことができる京都芸術大学大学院へ進学。2022年4月から2年間、オンライン中心で勉強しました。
写真:大学院のゼミの仲間と一緒の松平さん
多摩美術大学で学んだ3か月間は刺激的でしたが、自分の中で大きな変化には繋がらず、受講後はまた元の日常に戻ってしまいました。それが少し残念で、次は自分の行動が変わるくらいの深い学びをしようと考えたのです。
自分の中で変化を期待したのは、起業へのアクションです。
前職で新規事業の責任者を経験したことがきっかけで、起業に関心を持ちました。プロジェクトはトラブルの連続でしたが、厳しい状況に追い込まれるほど燃えるタイプなので、大変さと同じくらいの楽しさも感じました。
そして、ようやくプレスリリースを出せた時に、自分の子供を産んだ時のような喜びが湧き上がったのです。自分でも「仕事でここまでの喜びが得られるのか」と驚くほどでした。
この経験から、社会課題を解決できる事業を立ち上げたいと考えるようになりましたが、足踏みして、踏み出せないでいました。
前の会社には約15年勤務し、我が家のような場所だったので、このまま働き続けるのかなと思ったこともあります。でも、自分のやりたいことに挑戦したいと思い、そのためにも本気で学ぼうと決めました。
写真:松平さん
現在は、NECでサービスデザインに携わっています。
新規事業やサービスを始めるお客様と一緒にアイデア創出のワークショップを行い、ユーザーインタビューからインサイトを抽出してビジネスモデルを策定するのが主な仕事です。ビジョン策定をご支援したり、サービスの原型(プロトタイプ)を素早く制作したりすることもあります。
デザインの知識もビジネスの視点も活かすことでき、私がイメージした仕事そのものです。募集要項を見た時の感想は「やりたいことが詰まっている」でした。
NECのFCD(Future Creation Design)部門はサービスデザインへの取り組みが長く、サービスデザインとその基本的な考え方であるデザイン思考を勉強して実践してきたメンバーばかり。同僚たちと情報交換し、知識をアップデートし続けられる環境で働くことができ、とても楽しいです。
サービスデザインは新規事業に携わる仕事なので、起業にも着実に近づいていると感じています。
カスタマーサクセスは、お客様の声に耳を傾け、既にあるサービスを改善します。
一方、サービスデザインは、新しいサービスを創り出す前にターゲットの本質的なニーズを探ります。どちらも起点は「ユーザーの声」です。
新しいサービスを創り出す際は「継続的に使われるか」の視点が不可欠で、カスタマーサクセスの「売ってからが始まり。いかに継続してもらうか」という考え方が役に立ちます。
サービスデザインの依頼はビジョンやプロトタイプを創るまでですが、そこで終わってはカスタマーサクセスを経験した私らしくありません。「創って終わり」にならないよう提案にも工夫を凝らしています。
10年前にメラノーマ(皮膚がんの一種)にかかりました。
当時は情報も少なく、治療法が確立されていない、悪性度が高い、とネガティブな情報ばかり。病気が分かってからは「今回が最後のプロジェクトかもしれない」と、それまで以上に仕事に打ち込みました。
結果的に治療が功を奏し、最後のプロジェクトにならずに済みましたが、人生への向き合い方は変わりました。
「人生を自分のやりたいことで埋め尽くそう」「はじめてのことにも挑戦しよう」。
そして、人生の大半の時間を費やす仕事についても、自分がやりたいことは何かを真剣に考えるようになったのです。
写真:松平さん
人生を自分のやりたいことで埋め尽くす生き方です。
こう見えて私、昔は「闘志を秘めた女」でした。学生時代から、女性だからという理由だけで同じ能力の男性よりも低く扱われることがあり、男性には負けたくないと思い続けてきました。
「女性は男性の3倍頑張らないといけない」と言われ、覚悟を決めて頑張ってきました。「女性の活躍」のロールモデルになりたいと意気込んだ時期もありました。
でも、社会も変化し、性別でその人の可能性を制限する風潮は薄れつつあります。私も肩の力が抜けて、男性を仮想敵にして戦うのではなく、自分らしく働き、生きようと思うようになりました。
そして、SuccessGAKO をきっかけに学ぶことの楽しさを知り、学び続けることによって人生が動きました。学ぶことは、人生をよりよく生きることに繋がります。「今から始めても遅くない」といつも自分に言い聞かせています。
SuccessGAKO で学んだ3か月間は、本当に濃密でした。
カスタマーサクセスの考え方の核は「商品が継続して使われる」「商品を通じてどれだけ人を喜ばせることができるか」だと思っています。
これはカスタマーサクセス以外の仕事にも活きる考え方で、すべてのビジネスの基本です。
カスタマーサクセスを目指す方や実践者としてキャリアアップしたい方はもちろんですが、そうでない方にも受講してもらいたいです。学びを通して、きっとその先に新しい道が開けるはずです。