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かつて躊躇した女性管理職、カスタマーサクセスなら育児とも両立「毎日が楽しい」

作成者: 弘子ラザヴィ|Feb 12, 2024 8:00:00 PM

SuccessGAKO(サクセス学校)では、カスタマーサクセス人材の育成を通じた女性のキャリア支援にも力を入れています。テーマは「Being Myself (自分らしく生きる)」。仕事を通じた、自分らしい生き方の実現です。

日本は2022年度の管理職(課長相当職以上)に占める女性の割合が12.7%と、先進国の中でも低い水準にあります。政府が旗振り役となって女性の活躍を推し進めますが、女性が管理職になりさらに出世を目指すには、男性以上の働きや成果を求められるケースも少なくありません。

SuccessGAKOの講座を受講した和久井かおりさんは、カスタマーサクセスに出会ったことで管理職の道を歩き始めました。

「カスタマーサクセスが天職」と自負し、受講後にカスタマーサクセスのプラットフォームで世界シェアNo.1の Gainsight にディレクターとして転職。日本でのカスタマーサクセスの認知向上に取り組む一方、プライベートでは昨年、第一子を出産されました。

「育児も仕事も趣味も楽しみながらキャリアを重ねるモデルになりたい」と話し、新たな女性のキャリア像を描く和久井さんのキャリアストーリーをご紹介します。

和久井さんのキャリアのポイント

  • 昨年、第一子を出産。復職後は家族の協力を得ながら育児と仕事を両立し「毎日がとても楽しい」
  • 仕事も育児も完璧を目指すのでなく、どちらも自然体で楽しむ女性管理職になることで、両立できるか不安な女性に勇気を与えたい
  • カスタマーサクセス職として入社した外資系企業では苦手意識のあったマネージャーに就任。全体の調和を図るタイプのマネージャーとして活躍
  • SuccessGAKOの講座を受講し、自分の経験が他社のカスタマーサクセスリーダーの役に立つのではないかと考え、Gainsightへ転職
  • 現在、日本でのカスタマーサクセスの認知向上を目指している

昨年、第一子を出産されました。仕事と育児を両立する現在の働き方について教えてください

妊娠が分かったのは現在の会社、Gainsightに転職して数カ月のことでした。年齢的に出産を意識していたので、妊娠を知った時は嬉しかったです。

ただ、始めたばかりの仕事が気がかりで、すぐに代表に報告したところ、間髪おかずに「おめでとう。応援するよ」と。メンバーも出産までたくさんサポートしてくれて、本当に良い上司と良い会社です。だからこそ、早く会社に戻ってこようと思い、出産から4カ月で復帰しました。

今は毎日とても楽しいです。

お迎えの後は100%子どもと向き合いたいので、限られた時間でどう効率的に仕事をするかを考えて、日中は全力で仕事をします。子どもが寝た後に仕事をして、夜遅くメンバーに連絡をすることもありますが、みんなが理解して応援してくれるので助かっています。上司、メンバーと家族、子どもには感謝しかありません。

自分がその立場になって、仕事と育児を両立する女性はすごいなと思うようになりました。

私はすべてを完璧にできているわけではありません。だからこそ「こんなに適当でも働きながらママができるよ」と、1人でも多くの人に勇気を与えられると嬉しいです。

写真:カスタマーサクセスTシャツを着ている和久井さんのお子さん

「勇気を与える」というのはどういうことですか

日本には女性管理職が少ないですが、それは女性の能力の問題ではありません。

これまでの男性が中心の組織では、女性に対して”男性的なふるまい”が期待されてきました。そのため、女性は家事や育児を主に担う役割と、同時に男性と同じ形で仕事をすることを求められました。それが結果的に女性の出世を難しくした一因だろうと思います。

実際、私より上の世代で管理職についている女性は、皆さん完璧です。憧れの存在ではありますが、「管理職を目指す女性は完璧でなければいけない。私にはなれない」と感じてる女性も多いのではないでしょうか。

私は、仕事も育児も趣味のバレーボールも完璧を目指すのではなく、自然体で100%エンジョイしたい。それが私の「Being Myself」です。

そのために必要なことは、調整力やバランス力、そして、「いい具合に手を抜く適当さ」です。頑張るところは頑張って、手を抜くところは手を抜いて。

そんな私を見て、「自分もこういうスタイルならキャリアを重ねられそう」と思う女性が増えるといいなと思います。


写真:趣味のバレーボールを楽しむ和久井さん(右)

和久井さんはいつ頃から管理職を目指すようになったのですか

もともと、私は組織を引っ張るタイプではなく、リーダーのサポート役が向いています。

カスタマーサクセスとして転職した前職の外資系企業でマネージャー就任を打診された時、最初は「向いてないからやりたくない」と思いました。当時のマネージャーは先陣を切って組織を引っ張る方ばかりでしたが、自分はそういうタイプではないからです。

ただ、当時の上司が5歩も10歩も先を見据えて動くタイプの方。直接お話を伺うと、論理的で納得できるのですが、あまりにも先を見すぎていて現場で動くメンバーとの意識には大きな差がありました。

そこで、私が上司の考えをかみ砕いてメンバーに伝える「通訳」のような役割をすれば、チームをさらに良くすることができると考え、マネージャーを引き受けることにしました。

カスタマーサクセスは営業のように個々にKPIが割り振られず、チームワークが基本の仕事です。マネージャーにも全体の調和を取ることが求められたので、私らしい働き方ができたのでしょう。

次第に、上司やチームメイトをサポートできる大好きな役割だと思うようになりました。だからこそ、Gainsightからのディレクター職のオファーも迷いなく受けることができました。


写真:和久井かおりさん

カスタマーサクセスだからこそ自分らしいリーダー像を見つけられたのですね。カスタマーサクセスとの出会いを教えてください

大学卒業後、2社目に勤務したベンチャー企業で、人事、営業、プロジェクトマネージャーなど様々な職種を経験しました。その一環としてカスタマーサクセスを経験した時に、「これが私のやりたいことだ」と思ったのです。

新卒では、大手ハードウエア企業に営業職として入社しました。

お客様と対面でお話しすることは好きだし、困りごとを聞いて解決できる製品を提案することにやりがいを感じていました。けれど、お客様が製品をどう使って、どう成功に結び付いたかを見届けることができない。「売ったら次」の仕事に違和感を覚え、転職を決めました。

カスタマーサクセスはお客様のビジネスを理解して成功に導くことと、自社の業績拡大が両立できるので、私がやりたいことのいいとこ取りができる仕事です。

先ほどお話したように、自分はリーダーのサポート役が向いているので、社内の色々な組織の協力を得て、全体の調和を取りながら仕事を進めるカスタマーサクセスが、まさに天職だと感じました。

SuccessGAKOの講座を受講した理由を教えてください

前職の外資系企業では、グローバルから降りてくる方針が、日本でそのまま実行できるとは限りませんでした。

リソースが潤沢にある前提で組まれた目標に対して、日本の限られたリソースでどうアプローチするのか、日本の企業文化に合った形で実行するにはどうすればいいのか。そうした工夫をいつもしていましたが、自分たちのやり方が正しいのかわからず、体系的にカスタマーサクセスを学ぼうと受講を決めました。

受講して「プールドCSM(注:担当制をとらず複数人で時々に対応するやり方)」という方法を知りました。また、自分たちがやろうとしていた方向性が間違っていないと自信を持つこともできました。

大勢の仲間と出会えたことも、大きな収穫です。

会社は違っても同じ悩みを抱えていると知って安心する一方、同期生の悩みにアドバイスできることも多く、私の経験が他社で悩むリーダーの役に立つのではないかと考えるきっかけになりました。

画像: SuccessGAKO 同窓会での和久井さん
記事:『受講後、日本のカスタマーサクセスチームがグローバルの一歩先を行く存在に

カスタマーサクセスのプラットフォームを提供するGainsightの日本法人に2人目の社員として転職されました

受講したことで、自分がカスタマーサクセスという仕事に誇りや愛着を持っていることを実感しました。そして、カスタマーサクセスについて発信したい、他社で頑張っている仲間を助けたいと思うようになりました。

そんな時に、Gainsightからオファーをいただきました。

「Gainsightなら、いろいろな会社のカスタマーサクセスをサポートできるし、私の経験が役に立つ場面も多いのでは」と思い、転職を決めました。

よく、勇気ある決断と言われますが、お話をいただいた時に思ったのは「Gainsightの日本展開に関われる?!やります!」ということだけ。条件面よりも、カスタマーサクセスへの気持ちに後押しされた転職でした。再び同じ状況でオファーを受けても、二つ返事で「やります!」と言うと思います。


写真:GainsightのCCO ケリー・カポーティ氏(左)と和久井さん(右)

今後のキャリアプランを聞かせてください

私は明確なキャリアプランを持たずに、目の前のチャンスをつかみ続けたら、数年後こうなっていたというタイプです。ただ、これから先もカスタマーサクセスに関わっていることは間違いないです。

目の前にある目標は、Gainsightの日本での運用方法を早期に確立すること。そして、日本でのカスタマーサクセスの認知を広げること。

そのためには、カスタマーサクセス部署外の方、特に経営層にカスタマーサクセスの価値を実感してもらうことが重要です。

私たちがカスタマーサクセスについて発信するほか、お客様に提案する際には役職のある方にも同席をお願いするなど、企業内でのカスタマーサクセスの地位向上を目指しています。

そして、「仕事はカスタマーサクセスです」と言った時に、みんなが「そうなんだ」と自然に受け入れてくれるような環境を作りたい。アンケートの職業欄にカスタマーサクセスが入る、そういう世界が目標です。

カスタマーサクセスを目指す女性にメッセージをお願いします

カスタマーサクセスは新しい職種なので、こうあるべきという固定観念が少なく、これから作り上げていく段階です。

私がこれまで採用した方の中に、経験者は1人もいませんでした。前職は広報やマーケティング、ITなど様々で、皆さん過去の経験を活かして活躍しています。

カスタマーサクセスは自分1人の力で何かを成し遂げる仕事ではありません。

色々な部署の人の力を借りて目標に向かうため、調整力やバランス感覚が求められます。女性に向いている仕事だと思うので、ぜひチャレンジしてほしいですね。