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    カスタマーサクセスを、キャリアの選択肢として当たり前のものにしたい

    CircleCI Japanにて日本およびAPACのお客様を支援しながらカスタマーサクセスを追求している是村潤。なぜ、講師として「SuccessGAKO」に参画したのか、そしてどんな世界を実現していきたいのかを、自身の言葉で語ります。

    抱えていたモヤモヤを解消した「カスタマーサクセス」の概念

    私はアメリカの大学院を卒業後、これまでMicrosoftやDropboxなどの外資企業からベンチャー企業まで一貫してIT業界に身を置いてきました。現在は CircleCI Japan にて、日本および APAC のお客様を支援しながらカスタマーサクセスのチームを見ています。

    私がはじめて「カスタマーサクセス」というものを意識したきっかけは何だったのか振り返ると、3社目の外資系企業時代のある経験が原体験だったように思います。

    当時その企業で扱っていたプロダクトはとにかくトラブル対応が多かったのですが、自分たちが詰められるだけでなく、クライアントもエンドユーザーから突き上げられ、大変な思いをするような状況が繰り返されていました。

    何か起きてから対処するという、リアクティブな対応による負の連鎖。これをどうにかできないものかと、非常にモヤモヤした思いを抱えていたのです。

    そんな時、マイクロソフトのエンタープライズ顧客に対して支援をしている組織の本部長から、問題を未然に防ぐプロアクティブな取り組みを始めるから一緒にやらないか、と声をかけていただきました。

    これは、定性的な話だけでなく、ツールを動かしてデータを収集し、リスクを予測することで問題の発生自体を防止していくものでした。しかし、当時のサポートは、プロアクティブとは言え、全て有償契約。いわゆるプレミアサポートサービスのような形です。クライアントは、多ければ億単位の金額を製品とは別に支払います。

    当然、全ての顧客にリーチすることはできません。一部の、料金を支払った顧客だけを支援することに、またちょっとモヤモヤした気持ちを抱くようになりました。

    本来は、買っただけでその製品を正しく使えて、そこからバリューを享受できるべきではないか。

    そう思ってはいるものの、どうすればよいのかは分からずにいたちょうどその頃、カスタマーサクセスの概念を知りました。

    もちろん、顧客の契約規模による濃淡はありますが、少なくとも全ての顧客がきちんと使いこなし、バリューを享受できるための支援ができる。こんな素晴らしい活動があるのか!と心が躍りました。

    Dropboxではユーザーと直に触れ合う取組みを

     

    Dropbox

    写真:Dropbox時代の仲間たちと(写真左)

    2017年の夏頃だったと記憶していますが、マイクロソフトにもカスタマーサクセス部ができました。

    まずは本社にCustomer Success Unit という部署ができ、しばらくしてから日本にも同じ部署ができます。ただ面白いことに、英語名は「Customer Success Unit」なのに、日本名が「デジタルトランスフォーメーション本部」だったのです。

    現在は、日本名もカスタマーサクセスユニットに変わっていますが、それくらい当時の日本ではまだまだカスタマーサクセスという単語に馴染みがありませんでした。

    2019年には、Dropboxにカスタマーサクセス立ち上げメンバーとしてジョイン。カスタマーサクセスチームのリーダーをしながら、戦略的位置づけの顧客も担当するという、プレイングマネージャーとして働きました。

    Dropboxはアメリカの会社ですが、当時、私の上司はオーストラリアにいました。アメリカやオーストラリアは、国土が広大なこともあって、客先に行くという文化がほとんどありません。

    しかし、日本では、場合によっては顧客訪問が必要なことを上司に訴え、大学を訪問してブースを展開する「Dropbox Day」という取組みを実践しました。会議室などを借りて、ライセンスを付与されているのに使いこなせていない学生さんに使い方を教えるのです。ユーザーの生の声も聞けますし、お客さんの反応も非常に良かったですね。

    こうしたコミュニケーションは基本的な取り組みではありますが、重要なことに違いありません。人が動くことで、活用も増えていくのです。

    サービスや顧客層が違えば、行うことは大きく異なる

    その後、2020年に現在のCircleCIへ移りました。入った当初、カスタマーサクセスは1人だけでしたが今ではようやく5人のチームになりました。

    CircleCI

    写真:CircleCIのCSチームメンバーと忘年会にて。

    Dropboxとの大きな違いは、日本とAPAC(アジア太平洋)の両方を見ているということです。

    日本やアジア、オーストラリア、ニュージーランドといったAPACタイムゾーンを見るので、担当者もそこに対応できる人を採用しなければなりません。当然、顧客層にも地理的な違いが発生してきます。

    もう一つの違いは、サービスのターゲット層です。Dropboxの場合、エンドユーザーはそこまでITリテラシーの高くない一般的な会社員の方が多いのに対して、CircleCIはデベロッパー向けのサービスなので、相手はエンジニアとなります。

    このように、当たり前ですが国も違えばターゲットとなる顧客層も違う。それによって実施していく施策は異なっていきます。加えてコロナ禍ということもあり、社内のコミュニケーションにも工夫が求められます。2020年は本当にチャレンジングな年となりました。

    アウトプットの前には、落とし込むための討議が必要

    ちょうどその頃、弘子さんからSuccessGAKOへのお誘いをいただきました。

    私はカスタマーサクセスの将来的な可能性を強く感じており、サービスやプロダクトを提供する企業にとって、当たり前のもの、必須のものになっていくだろうという予測を立てています。

    今後、必要とされる職種ではあるけれど、キャリア市場として出来上がるまでには、おそらくまだまだ時間かかるでしょう。

    ですから“カスタマーサクセスという職種をきちんとキャリア市場に乗せたい”というのが、SuccessGAKOに参画した大きな理由です。講座に関してベースとなる書籍はありましたが、そのようなキャリアの観点も採り入れるよう工夫しています。

    よくあることですが、本を読んだり講演を聞いたりした後、ほとんどの人が「良い話だったな」だけですぐ忘れてしまいます。また「すぐにアウトプットしましょう」とも言われます。もちろんアウトプットは大切ですが、私はその前にワンクッションが必要だと思っています。

    学んだことについて、仲間としっかりディスカッションして、落とし込んでから実施する。この工程なしにいきなりアウトプットしたところで、上手くいくことは少ないのではないか、と。

    そこで、実践カスタマーサクセスのプログラムを作るときに、講義回と討論回の2つをセットにしました。

    インプットだけではダメだし、アウトプットするにしても、それをみんなで咀嚼して、本当に自分が理解できているのかを議論できる場を作ろうということです。受講者の方からも、そのスタイルは非常に好評です。

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    写真:SuccessGAKOのクラス修了式

    また、私自身も受講生から本当に多くのことを学ばせてもらっています。

    カスタマーサクセス部門が立ち上がったばかりで、全てのことを何でもかんでもやってパンクしそうになっているという人も多く「こんなことまでやっているのか」と驚かされることも少なくありません。いろいろな意味で、さまざまなフェーズで学びがある。

    このコミュニティでやりとりされている全てが、後々の財産になっていくような気がします。「そういえばあの時、あの人がこんなことを言ってたな」と。

    目の前の仕事に役立つだけでなく、後から効いてくる知恵を得られる。これは、とても貴重なことだと思っています。

    カスタマーサクセスなんて当たり前、という時代がくる

    この仕事をしていると、周りも似たような環境の人が多くなるので、どの会社もカスタマーサクセスに取り組んでいるかのような錯覚に陥ります。しかし実際は、まだほとんど浸透しておらず、その存在すら知らない企業もたくさんあるわけです。

    このような状況を見ると、私が当初考えていた目的は、まだ全く達成できていないことが分かります。

    「カスタマーサクセスが当たり前のようにキャリアの選択肢の一つになる」ということはまだまだ実現できてない。草の根的な活動にはなりますが、今後もコツコツそこに取り組んでいきたいですね。

    また、カスタマーサクセスを実践しはじめたばかりの人、これから始めようと思っている人は、横の繋がりもまだなく、体系的な学びも少ない中で、なにをどうしていいのか分からないでしょう。そこに対して、SuccessGAKOが提供できることは多いと思っています。

    そして5年後か、10年後か、カスタマーサクセスが当たり前になったとき、このような学びの場は必要なくなる気がします。基礎を体系的に学ぶことは、それぞれの社内で基礎研修として持つようになるかもしれません。そのような時代のニーズにあわせ、SaaSが変わっていくのと同じように、私たちも変わっていくでしょう。

    認知度調査をするまでもないくらい、カスタマーサクセスが当たり前の存在になるような、そんな未来を一緒に作っていけたらいいですね。

    Edited by Keita Kubo

    カスタマーサクセスに挑戦する人が、知恵と勇気と仲間を手にする実践者コミュニティ「SuccessGAKO」

    success gako

    SuccessGAKO(サクセス学校)はカスタマーサクセスの未来を創る挑戦者を輩出する学び場です。カスタマーサクセスを追求するのに必要な知識を学び、自分で考え、実行することで、自社、顧客そして自身も成功することを目指す人のために誕生しました。経験豊富な講師陣による講義と受講生限定のコミュニティとが共鳴し、一方的な知識の習得でなく、仲間と切磋琢磨しながら行動することに価値をおいた実践者コミュニティです。 

    『実践カスタマーサクセス』第4期 

    実践カスタマーサクセス

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