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    チャーンに至る2大理由

    久々に、シリアルアントレプレナーで投資家のデビッド・スコックさんの記事をご紹介します。テーマはズバリ「チャーン」。

    カスタマーサクセス業界人なら全員が知る彼の有名記事「リテンションモデルの理想シナリオ:ネガティブチャーンへ続く道」から数年たった今年、彼が久々にカスタマーサクセストピックで書いた記事が「チャーン」。正直、「え(また)チャーン?」と思いましたが、読むと納得です。

    それほど「チャーン」は古くて新しい深い課題です。

    シンプルな内容ですが、逆にその分、腹落ち感が満載です。どうぞ味わってみてください。

    注:David Skok氏の許可を頂き原文の和訳を紹介します。


    チャーンの2大理由

    SaaS事業を営む数多くのポートフォリオ会社と一緒に仕事する中で、私は、他のどんな理由よりも確実にチャーンを招く2大事由を発見しました:

    1)カスタマーのオンボーディングが首尾よく行われなかった

    2)サービスの契約更新を強く推すハードユーザーがいなくなった

    順に見ていきましょう。

    1)オンボーディングが首尾よく行われなかった

    これがチャーンの重大事由であることは誰もが容易に理解します。しかし逆に質問です。あなたのカスタマーサクセスチームは、これが2大事由の1つだと真剣に認識しているでしょうか?

    契約更新が近付いているカスタマーの中でヤバそうな相手に対し、更新日直前に慌ててあれこれ施策を講じ、離脱をなんとか防ごうと躍起になる、そんな会社が未だにとても多いです。

    カスタマー視点で考えると、「契約更新」したい気持ちがマックスになるのは、サービスを正に使い始めた時、つまりオンボードしたばかりの時です。それは、導入を決めたばかりのプロダクトに最も期待を寄せるタイミングであり、プロダクトについて学ぶためなら時間と労力も惜しみなく投下し、多くの人が使いこなしたいと意欲満々なタイミングです。

    万一そのタイミングをしくじると、カスタマーは「期待したほど良くなかった」と一瞬で見限ります。一度そう思われてしまうと、時間を使ってもう一度試そうという前向きな気持ちに戻すのは、ほぼ不可能です。

    そうならないため一体何をすべきでしょう? 私のお勧めは以下です:

    • リテンション獲得に向けた最大エネルギーを、更新時期の直前でなくオンボーディング期間中に投入する。オンボーディングのプロセス、ピープル、指標を最高レベルへ磨き上げる
    • カスタマーに、プロダクト契約時に期待した事業成果を達成できたかどうか尋ね、オンボーディングの成否を評価する
    • オンボーディングを低く評価したカスタマーに対しては、放置すると命取りになるという自覚のもと、即座に対策を打つ

    特に2点目は、プロダクトの利用状況よりも期待成果の有無を重視している点にご留意ください。たくさん利用されているという事実は、必ずしも期待成果を達成できていることを意味しません

    プロダクトを使いはじめて間がない時に期待成果を達成したり測定したりするのは決して常に可能なことではありませんが、もし可能ならば確実にあなたは優位に立てます。もしカスタマーが期待成果を数字で確認できるなら、明らかにチャーンの可能性は激減することでしょう。

    2)サービスの契約更新を強く推すハードユーザーがいなくなる

    私が仕事をご一緒したことのあるSaaSビジネス、ないしはサブスクリプション定期収益モデルのビジネスにおいて、サービスをそれ無しでは仕事にならないというほど使い倒してくれるハードユーザーが退職・異動した場合、それは明らかにチャーンの前兆でした。

    残念ながら、これにはなす術がありません。あなたがどんなにカスタマーのオンボードで素晴らしい仕事をしてもハードユーザーを失うことはあるのです。

    ただし、それでもできることはあります:
    定期的に行う「カスタマーヘルスチェック」において、ハードユーザーらの退職・異動の有無をヘルススコアの評価項目に含めましょう。ハードユーザーを失ったら即座に気づけるようにし、チャーンのリスクを下げるために再び営業活動をしてください。

    その時、疑問が生まれます。このカスタマーに再び営業する責任は誰にあるのでしょうか?

    とても興味深い問題です。というのも、この営業活動は新しい収益をもたらさないのです。現状の収益を維持するリテンションが目的だからです。

    新規の顧客ハント(獲得)を重視する営業担当役員なら、手数料が入らないこの営業活動は時間の無駄と思うでしょう。その場合、同カスタマーが新規に契約した時の営業担当や、契約更新専門の営業担当(もし居れば)に協力を依頼できるとよいでしょう。そして同アカウントを維持できたら、彼らの働きを補償する手数料も必要になるかもしれません。

    結論

    この2大事由が、他のどんな理由よりもチャーンに直結するダントツ要因だと分かれば、カスタマーをリテンションする方法を見直すことで効果があがります。

    上述のアドバイスが皆さんのチャーンを減らす手助けになれば幸いです。

    (原文)

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