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    カスタマーサクセスの費用は売上の何%:SaaS企業の最新ベンチマーク

    あなたのプロダクトのカスタマーサクセス費用は売上の何%ですか?

    皆さんはそう聞かれて、即答できますか?

    米国では、VCや投資銀行などがアンケート調査や独自調査を行い実態を分析・公表しています。本サイトでは2017年に、SaaS Capitalの独自調査の要点を記事「カスタマーサクセスの費用事情:世界のSaaS企業はお金をどう使っているの?」でご紹介しました。

    当時に比べマーケット事情が大きく変化した昨今、スタートアップでも健全な収益性 / 利益を投資家から厳しく要求されます。当然、カスタマーサクセス活動も効率性を上げなければならず、あらゆる企業が努力されているはず。

    そこで、最新の費用事情をさらってみたので、ご紹介します。

    SaaStr Annual 2024 より

    2024年9月10-12日にベイエリアで開催された SaaStr Annual で、GitHub の VP カスタマーサクセス、アバス・ハイダー・アリ(Abbas Haider Ali)氏が興味深い数字を提示されました。

    私は「売上の何%をカスタマーサクセスに費やしてよいか?」とよく聞かれます。私は常にこう答えます「10%」

    そして、「もちろん何が含まれるかは議論が必要だけれど」といいつつ、「ポストセールスに費やすのは売上の10%。これが黄金値。それ以上費やす場合は十分な理由が必要です」と続けました。

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    出所:SaaStr Annual 2024

    さらに「カスタマーサクセスに収益の何割を費やしているか聞かれて、正確な数字を即答できる人は手を上げてみて」と会場へ挙手を促しつつ、「カスタマーサクセスリーダーの皆さんなら、この数字について細部まで把握し、ROI について強い見通しを持つ必要があります」と断言されました。

    同セッションでアバスさんの対談相手だった、Notionの CRO、エリカ・アンダーソン(Erica Anderson)氏は、アバスさんの「10%」発言に刺激をうけ、こう続けます。

    付け加えると、(10%の)機能別内訳も大切ですね。たとえば、Notionのサポート組織がカスタマーエクスペリエンスに費やす費用の現在の目標は ARR の 3.9% です

    SaaStrの会場で2人のやり取りを聴講していた筆者は、正直、2017年当時より相当厳しくなっているなと驚きました。ただ、GitHub も Notion も急成長してそこそこ大きな企業。ベンチマークの1つとして有用ですが、逆に平均値が気になりました。

    そこで、2017年に参照したSaaS Capitalの最新調査を確認してみましたので、以下にポイントを紹介します。

    なお、アバスさんとエリカさんの対談セッションは、YouTube( 04:48:33以降 )でアーカイブをご覧になれます。ご興味ある方は前後のやり取り含めぜひご視聴ください。

    SaaS Capital 調査:未公開 B2B SaaS企業のベンチマーク

    SaaS Capital は、毎年第1四半期に未公開 B2B SaaS企業の指標に関する調査を実施しています。2024年3月に完了した13回目の年次調査「2024 Spending Benchmarks for Private B2B SaaS Companies」には、1,500社を超える SaaS 企業からの回答が集まりました。

    調査参加者への質問は以下の通りです。

    • 現在、収益の何パーセントが以下に支出されていますか? (会社が利益を上げている場合はパーセンテージの合計が 100未満、そうでない場合は 100を超える必要があります)

    公表されている調査結果のうち、カスタマーサクセスに関わる部分を中心に要所を抜粋して以下にご紹介します。

    なお、本調査では「ブートストラップ型企業」と「資金調達型(equity-backed)企業」という分類が用いられています。後者は、VC等から未公開株式と引換えに資金調達している企業、前者はそうした資金調達はせず銀行借入と自力で事業運営している企業のことです。

    1)費用合計の中央値

    • ブートストラップ型企業 ARR の 93%
    • 資金調達型企業     ARR の 109%

    2)部門別費用の中央値

    • 10.5%(昨年;以下同 15%) 営業
    • 8%(10%) マーケティング
    • 8.5%(10%) カスタマーサクセス&カスタマーサポート
    • 5%(5%) ホスティング
    • 4%(4%) DevOps
    • 4%(4%) プロフェッショナルサービス COGS(売上原価)
    • 2%(2%) その他 COGS(同上)
    • 18%(24%) R&D
    • 11%(15%) 販管費

    3)部門別費用の中央値:企業タイプ別

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    ブートストラップ型企業の成長率・中央値は年25%なのに対し、資金調達型企業の成長率・中央値は年30%でした。

    4)部門別費用の中央値:企業タイプ別×成長性高低別

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    ブートストラップ型企業の成長率の高低による違いはほとんどありません。最大の違いは、成長率の低い企業はマーケティングに 20%多く費やしていることです。

    一方、資金調達型企業では、成長率の高い企業の方が、成長率の低い企業に比べマーケティングに 30%多く費やしています。

    5)部門別費用の中央値:企業規模別

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    上記グラフのうち ARRが300万ドルから500万ドルの典型的なB2B企業(オレンジ)の中央値は以下通りです。

    • 5% ホスティング
    • 3% DevOps
    • 3% プロフェッショナルサービス COGS(売上原価)
    • 1% その他 COGS(同上)
    • 10% カスタマーサクセス&カスタマーサポート
    • 15% 営業
    • 10% マーケティング
    • 25% R&D
    • 19% 販管費

    以上、SaaS Capitalの調査結果より一部抜粋してご紹介しました。

    考察

    ここから、SaaS Capitalの調査結果を踏まえた筆者の所感です。

    まず、本調査結果で目を引くのは、カスタマーサクセスとカスタマーサポートがセットで1部門として分析されている点です。

    数年前、「サポート」は明示されていませんでした。あえて明示しサクセスと統合した本分類を用いるところから、「ポストセールス」が意識されていること、そして恐らくサクセスとサポートの線引きが難しくなっている(親分が同じ)トレンドが推察されます。

    また、SaaStr Annual でアバスさんが「ポストセールスにかける費用は・・」とおっしゃった点とも視点が一致します。

    そして、何より「10%」という数字が、GitHubやNotionという成長中の大企業に限らない、規模が小さい非公開SaaS企業にも有効なベンチマークなのだという点です。

    実際、SaaS Capitalの調査の企業タイプ別や成長性別、企業規模別をみても、カスタマーサクセス&サポートの中央値はほぼ ~10%(サポート込みで!)です。

    AI等の活用がより進む将来を見据えれば、この数字は小さくなる可能性こそあれ、大きくなる可能性はほぼないでしょう。

    ということで、結論。

    新ノーマル:ポストセールスの費用は売上の10%

    カスタマーサクセスに挑戦する人が、知恵と勇気と仲間を手にする実践者コミュニティ「SuccessGAKO」

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    SuccessGAKO(サクセス学校)はカスタマーサクセスの未来を創る挑戦者を輩出する学び場です。カスタマーサクセスを追求するのに必要な知識を学び、自分で考え、実行することで、自社、顧客そして自身も成功することを目指す人のために誕生しました。経験豊富な講師陣による講義と受講生限定のコミュニティとが共鳴し、一方的な知識の習得でなく、仲間と切磋琢磨しながら行動することに価値をおいた実践者コミュニティです。 

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