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    インテリジェント・スウォーミングとは? エフォートレスなサポートの究極の形

    インテリジェント・スウォーミングとは? カスタマーにとってエフォートレスなサポートの究極の形

    スウォーミング(Swarming)」という言葉を聞いたことありますか?

    米国のカスタマーサポート業界でよく耳にする言葉ですが、サポートに限らず、カスタマーセントリックな企業文化を追求する企業にとり「素晴らしいカスタマー体験を提供する」という文脈において広く知られる大切な概念です。

    インテリジェント・スウォーミングとは、カスタマーから問い合わせ(チケット発行)があった時、AI等を駆使することで、問題解決に最適な人選が自動でなされ、プロフェッショナルなサポートエンジニアが協働プロジェクト的に問題解決にあたる仕組みのことです。

    前提として、

    • 「経験済みの問題」は過去の解決策に基づくコンテンツがカスタマーへ自動提示されるため、担当者が人選されるのは初めて経験する割と難しい問題に限られる
    • 割り当てられた担当者にはそれまでのカスタマーとのやり取り(チャットボット会話の経緯など)が全て共有されるため、カスタマーが何度も同じ状況説明をするなどの負担(カスタマーエフォート)が最小限ですむ

    ことが特徴的な、かなり高度なサポートプロセスです。

    インテリジェント・スウォーミングは、従ってカスタマーの問題解決プロセスを単に効率化するという域を超え、カスタマーに対し問題解決という不幸な事態の中で最高に「WOWな瞬間」を経験してもらえる貴重な機会、更にプロバイダーのサポートエンジニアにとっても協働でより高い価値を提供できることでの遣り甲斐を感じてもらえる貴重な機会です。

    特に今注目されている「カスタマーエフォート」という視点(参考「オンボーディングを成功させる鍵: “カスタマーエフォート” を測定する」)においても効果絶大なモデルです。

    そんなwin-win-winなインテリジェント・スウォーミングですが、現代ではAI等のテクノロジー活用がほぼ常識な中、有能な「人」のコラボレーションを価値の源泉とするモデルなため、あらゆる企業が明日から即足並み揃えて高度なレベルで実行できるというほど簡単でもありません。

    逆に言えば、今ならインテリジェント・スウォーミングの体制を整えることで、差別化の強みをつくれるといえそうです。

    皆さんの会社のサポートプロセス強化余地として「インテリジェント・スウォーミング」を検討してみてはいかがでしょうか?!

    以下に、Red Hat社でインテリジェント・スウォーミングを長年経験されたビル・アッカーマンさんの記事をご紹介します。

    注:Mindtouch社の許可を頂き原文の和訳を紹介します。


    インテリジェント・スウォーミング(Intelligent Swarming)とコラボレーション型サポートの価値

    カスタマーやプロダクトに応じた最適なサポートモデルを検討するのは割と難しいことです。そもそも選択肢の数が多く、新しい方法論は採用する際にそれなりの労力が必要ですから、慎重に検討して決めなければなりません。

    今回、Red Hat社のサポートサポートチームを統括してきた私の経験に基づき、インテリジェント・スウォーム(IS)についてご紹介します。

    インテリジェント・スウォーミングとは?

    インテリジェント・スウォーミングとは、特殊専門スキルをもつサポートエンジニアたち個々人によるスキル貢献という形での高度なコラボレーション活動を核に問題解決するサポートモデルです。

    実例で説明しましょう:

    あなたの家のシンクが水漏れした時、誰に修理を頼みますか? いきなり大工さんや電気技師、左官(壁を塗る職人)さんに頼む人はいなくて、通常は配管工に依頼するでしょう。

    そして彼が1人ですべて解決してくれる可能性は高いです。

    しかし、もし修理作業の結果、シンク背後の壁の構造が水漏れの原因だと発見した時はどうでしょう?

    大工さんに登場してもらう必要がありますし、配線移動が必要なら電気技師、そして修理後に壁を塗りなおす必要があれば左官さんも呼ばなければなりません。

    理想ケースでは、状況に最も精通している経験豊富な配管工がすべて手配できます。しかし問題がより複雑・大規模な場合、より専門知識が豊富な適材を他にあたらなければなりません。

    インテリジェント・スウォーミング実行上の難しさ

    弊社Red Hatは、コラボレーションをとても重視しています。オープンソースのソフトウェア企業として、今日のLinuxエコシステムを強化するのに何千人ものエンジニア、愛好家、カスタマー、加えて競合企業の貢献に頼っています。

    私たちはコラボレーションの価値と、それがどうサポート経験に絶大なプラス影響を与えるかを深く知る幸運に恵まれました。

    もしあなたの会社が、個々人の貢献や知識または階層構造を重視する企業文化が強い場合、オープンコラボレーションという概念を活かしてチームを大きくする可能性を追求すべく、コラボレーション・ヘルス・サーベイのようなサービス・イノベーションコンソーシアムのツールを使ってみるとよいかもしれません。

    それは構造化されたガイドラインではなく企業がモデル構築する際に検討すべきポイント集ですが、それを使って最適な組み合わせを繰り返し試し、カスタマーにとり価値最大な方法を見出すことで、問題を抱えたカスタマーが最適な方法でダイヤルできる柔軟性を高めることができます。

    経営層にインテリジェント・スウォーミングの価値を理解してもらうには?

    カスタマー体験を強調することです。

    インテリジェント・スウォーミングのサポートモデルを導入した企業では、カスタマー体験が通常とても好意的なものになり、課題も少ないです。なぜなら同モデルでは、最初から最後まで同一のサポートエンジニアが担当するため、カスタマーは次々と紹介される新しい担当者に何度も何度も同じ問題を説明する必要がありません。

    そして通常、最も適任な熟達サポートエンジニアが担当するため、担当者のスキル不足で余計な時間がかかるという事態も起きないからです。

    カスタマーの問題が、一人の案件オーナーの能力を超える場合、コラボレーション活動を展開して解決にあたります。案件オーナーは、解決のオーナーシップを保持したまま、経験豊富な他のメンバーを巻き込み、引き続き問題解決プロセスに関与し続けます。

    インテリジェント・スウォーミングは社内のナレッジ共有を最大活用する方法なので、新任エンジニアでさえ直ぐに戦力となり、非常に複雑な案件を解決できるようになります。

    インテリジェント・スウォーミングでのAI活用余地

    人工知能(AI)は、インテリジェント・スウォーミングで非常に大きな役割を果たします。

    サポート案件の担当エンジニアを手動で決める企業もありますが、プロダクトやテクノロジーに応じて担当者を自動マッチングする企業もあります。サポートエンジニア1人ひとりのスキルに応じてピンポイントでサポート案件をマッチングさせる企業もあります。

    インテリジェント・スウォーミングは、最も熟達したサポートエンジニアの手にサポート案件を割り当てる「インテリジェント」さが最大のポイントです。

    ジェネラリスト集団なサポートチームのエンジニアが案件をランダムに担当するモデルに比較すると、はるかに賢明なモデルです。

    検索や問い合わせ、チャットボットなど、カスタマーがコミュニケーションを始めた初期の接点にAIを活用する企業はとても多いと思います。

    こうした時に問題がより複雑でAIによる回答ではカスタマーのニーズを満たせない場合、インテリジェント・スウォーミングを使い最適なエンジニアがサポートに介入するとより効果的です。

    その際に重要なのは、エンジニアが介入する時点までのカスタマー体験およびカスタマーとのやり取りすべてを考慮しその後に反映する必要がある点です。

    もしそうできなければ、AIは単に、問題エスカレーション型のサポートモデルにおける第1段階の役割を果たすに過ぎず、コラボレーションの価値を最大化できません。

    インテリジェント・スウォーミングの効果測定

    高度なインテリジェント・スウォーミングチームは、高度なスキルをもつ個々人が個別に問題解決するチームよりも、はるかに大きなインパクトを生み出すことができると私は信じています。

    しかし、チームで問題解決にあたるため、個々人の貢献度を測定するのはより難しくなります。

    チームとしてのパフォーマンス測定はずっと容易です。弊社では、プロダクト単位でサポートチームのパフォーマンスを測定し、カスタマーニーズの高い機能強化に繋がっただけでなく、エンジニアリングチームとプロダクトチームの絆もより強い関係になりました。

    会社がインテリジェント・スウォーミングモデルを新たに採用した場合、経験豊富なサポートエンジニアほど苦労します。なぜなら、彼らのアイデンティティは、1人のプロフェッショナルとして解決した案件の量、解決時間、コメント数に根差しているからです。

    他人が成功するのをサポートしてほしい、と頼まれるのは、優秀で経験豊富なサポートエンジニアとってはある種、自分の性格や成功の意味するところ、会社への貢献の仕方に関する信念を否定されるに等しいのです。

    他に効果測定で考慮すべきは、カスタマー満足度とカスタマーエフォート(Customer Effort)です。カスタマー満足度の代わりに「カスタマーエフォート」を測定するサポート企業が増えています。

    インテリジェント・スウォーミングは、カスタマーがしたくないことや、より"楽(Effortless)"に感じるサポートを第一に考えるモデルなので「カスタマーエフォート」効果が非常に高いのです。

    インテリジェント・スウォーミング の導入を検討している企業へのアドバイス

    • クリエイティビティを発揮しましょう
    • コラボレーション型の仕事の進め方が既存チームの文化に馴染んでいるか、実際に時間をかけて評価しながら進めましょう
    • 「サポートの新しい方法論を活用し始める」というより、「サポートコミュニティを構築する」のだという意識をもちましょう
    • 素晴らしいカスタマー体験を提供するのだ!を心の中で最前線に位置づけ常に気にとめてください(変更するのはそのためです)
    • サポートエンジニアはインテリジェント・スウォーミングチームで最も重要な存在です。彼らがよい仕事をしているか最大限配慮し熟視してください。
      それを怠れば、カスタマー体験の価値を上げる機会を逃すことなります。

    最後に

    決してあきらめないでください!

    プロダクトチームとサポートチーム、そしてあなたのカスタマーにとって最適な組み合わせが見つかるまで何度も繰り返し試してみてください。

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